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「おーっす。って、おい」
カメラが夏美の部屋に入ったとき、雄一と夏美がそりそって笑い合っているところを捉えた。
「おぉ、達也」
「こんにちは」

ふたりはそっと身を離してカメラへ向けて照れ笑いを浮かべている。
「ふたりともさぁ、今日俺が来るって知っててそんな風にイチャイチャしてるわけ?」
「別に、普通に話してただけだろ。それに許可なくカメラ回しながら入ってくる方が悪いだろ」

そう言いながらも雄一はひどく嬉しそうな顔をしている。
「なんだよもう。こんなタイミングになるなら少し時間ずらせばよかったな」
「わかってるんなら一旦帰れよ、ほら」

雄一に追い返されそうになり、夏美が笑いながらそれを止めた。
「ごめんね達也くん。ちゃんと取材を受けるから」
仕切り直して達也にクッションを差し出す夏美。

「それじゃ、引き続きよろしく」