「この子は大丈夫。俺に色々と教えてくれた子だ」
そう言われて達也は目を見開いた。
雄一が言っていた子供はたしか7歳のはずだ。

だけど目の前にいる子はどう見ても5歳。
下手をすればもっと幼く見える。
「村の中しか知らないせいか、発育がよくないみたいなんだ」

雄一が達也の驚きを見透かしたように言った。
この村では作物の栽培もされているようだけれど、あれだけ人間の繁殖に力を入れていれば間に合わなくもなるだろう。

「この子は友樹くんだ。俺たち秘密の友だちになったんだよな?」
雄一の言葉に友樹は嬉しそうに頷いた。
そして自分の人差し指を立てて口元へ持って行くと、シーッと言って笑ってみせた。

その姿はやはり7歳にしては幼く感じられる。
「この村ではどんなことでもおおっぴらにされるらしい。秘密はご法度という感じなんだ。だからこの子にとっては秘密の友だちっていう存在が嬉しくて仕方ないんだ」