そのまま馬乗りになり、両手で口を塞ぐ。
あまりに強く力を込めたせいか、美加はその場でバタバタとのたうちまわった。
それでも達也は両手の力を緩めなかった。

やがて美加は目を閉じてグッタリと体から力が抜けていった。
「おい達也、もうやめろ」

足の拘束を解いた雄一に肩を叩かれてハッと我に返った達也は、慌てて美加の首に指を当てて脈を確認した。

ちゃんと動いている。
つよく口を塞がれたことで気道が狭くなり、気絶してしまっただけのようだ。

「行こう」
達也は雄一とともに洞窟から抜け出したのだった。