「マジか! どうしてその子がここに?」
聞くと雄一が嫌なものを見たときのように顔をしかめて少しだけ息を吐き出した。
「ここに連れてこられた後、村の人たちが美加さんを連れてきたんだ。それで彼女を妊娠させろと言ってきた」

「妊娠!?」
達也の声が裏返る。
「あぁ。簡単に言えば俺は繁殖用の家畜扱いになったってわけだ。美加さんはすでに村で洗脳されていて、自分が妊娠することに抵抗もなかったみたいだった。でも、無理だろ? こんな状況で、こんな異常な洗脳を受けた女の子を抱くなんて」

「あぁ。かなりの美人だけど俺だって願い下げだな」
「だけど美加さんはかなりの力で襲いかかってきたんだ。話せばわかってもらえると思ってたけど、俺の話なんて少しも聞いてくれなかった。だから仕方なく、みぞおちを殴ることになった」
「それで気絶してるのか」

ようやく納得したように達也が頷く。
「夏美は?」
「わからない。途中で村人に見つかってスタンガンを押し当てられたところまでは覚えてるんだけど……」

雄一が苦痛に満ちた顔で左右に首をふった。
「それじゃ早く見つけださねぇと! 夏美ちゃんまでこんな風にされちまうかもしれない!」