☆☆☆
生きて戻ってきた人間はひとりもおらん。
その言葉が達也の中で何度も何度も繰り返されていた。
見つかったのは手足だけ。
イケニエになった人間が川に流されたときだけ、こっちへ戻ってくることができる……?
「そんなことありえねぇ……」
ラーメン屋のカウンター席に突っ伏すようにして達也は呟いた。
カウンター内でラーメンを作っている男性店主が心配そうな顔でそれを見ていた。
「兄ちゃんどうしたんだ? この街の観光で嫌なことでもあったか?」
出来上がったラーメンを達也の前に出しながらそう聞いた。
達也はゆるゆると顔を起こしてラーメンどんぶりを自分の方へと引き寄せた。
そのまますぐに食べようと箸を伸ばすが、途中で手が止まってしまった。
「俺の友達がいなくなったんです」
力なく店主の顔を見つめてそう言った。
「はぁ? そんな話は聞いてないけどなぁ?」
「……警察には言ってないですから」
「行方不明なんだろ? なんで言わないんだよ」
生きて戻ってきた人間はひとりもおらん。
その言葉が達也の中で何度も何度も繰り返されていた。
見つかったのは手足だけ。
イケニエになった人間が川に流されたときだけ、こっちへ戻ってくることができる……?
「そんなことありえねぇ……」
ラーメン屋のカウンター席に突っ伏すようにして達也は呟いた。
カウンター内でラーメンを作っている男性店主が心配そうな顔でそれを見ていた。
「兄ちゃんどうしたんだ? この街の観光で嫌なことでもあったか?」
出来上がったラーメンを達也の前に出しながらそう聞いた。
達也はゆるゆると顔を起こしてラーメンどんぶりを自分の方へと引き寄せた。
そのまますぐに食べようと箸を伸ばすが、途中で手が止まってしまった。
「俺の友達がいなくなったんです」
力なく店主の顔を見つめてそう言った。
「はぁ? そんな話は聞いてないけどなぁ?」
「……警察には言ってないですから」
「行方不明なんだろ? なんで言わないんだよ」



