「いまよい村に入り込むヤツが最近多かったせいかもしれないな」
トミーから始まり、大学を辞めた美加。
そして4人の施設利用者たち。

これだけの頻度でいまよい村に人が入り込んでいたとすれば、見知らぬ人間がいても気に留めないかもしれない。
村というか、もうすでに町のような存在になっているのかもしれない。
それから雄一は大きく息を吸い込んで女性部屋のドアを開けた。

スマホは胸ポケットに入れてカメラ部分だけを出しているようで、雄一の歩くのに合わせて画面が上下している。
『こんにちは』

『お兄さん素敵ね』
部屋に入るとあちこちから女性の声が聞こえてくる。
その声は妖艶で、誘っているように聞こえた。

画面上では病院のように天井から吊り下げるタイプのカーテンがつけられていて、その中にひとりひとり女性が座っているのがわかった。
みんな肌が多く露出している際どい服を身に着けている。

達也は思わずゴクリと唾を飲み込んでしまう。
『私を選んでよ』
『楽しみましょう』