中に入ると真っ白が通路があり、そこには誰の姿もなかった。
雄一がその通路を歩いて行くと、右手に【女性部屋】と書かれた部屋があった。
『まさか嘘だろ。本当だったなんて』

その部屋のプレートを見た雄一が深くため息を吐き出して、泣きそうな声になった。
「なんだよおい。その部屋、なんなんだよ」
達也が質問したとき、廊下の奥から足音と話声が聞こえてきて雄一がとっさにスマホを背中に隠して画面が暗転した。

『お、君も朝からか?』
『朝でも昼でも夜でも、必要なことだからねぇ』
そんな会話が聞こえたあと、ドアの開閉音が聞こえてきて静かになった。

それから数秒経過してから画面に雄一の顔が写った。
「おい、大丈夫か?」

『あぁ。うつむいて顔を隠しておいたから大丈夫だ』
「さっきの奴らはなんだ?」

『この部屋に入っていった。この通路の奥には小部屋がいくつもあって、そこは……繁殖部屋と呼ばれているらしい』