ジーンズから形の良いヒップ浮き出している。
思わず達也が女性のヒップをズームにして、雄一に「やめろよ」と頭を叩かれ、画面がブレた。
「それで、どんな大学製作なの?」
「あ~それは……」

元々は達也が始めた引きこもりのドキュメンタリー作成だけれど、今は別物になってしまっている。
「隣町について調べています。あの付近で最近失踪事件が相次いでいるので、気になって」

雄一が簡単に説明をすると、女性の表情が暗くなった。
「なるほど、確かに最近多いわよね。私も気になってたところ」
女性は自分の暮らしている町ではないためか、深刻な表情をしながらもその話をやめようとしない。

「それで、なにかわかった?」
「まだなんとも……でも、この町でも10年前にいなくなった子供がいると聞いてやってきました」
「あら。この町でも行方不明がいたの?」

女性が目を丸くして驚いている。
「そうかもしれないって感じで……あの、なにか情報を知りませんか?」
「わかった。ちょっと待ってね」

女性はそういい置くと店舗の奥へと引っ込んだ。
この店は店舗建住宅になっているようで、奥のドアを開くと住居スペースになっているみたいだ。

女性が戻ってくるまでの間にふたりはカゴに飲み物と食べ物を詰め込んでいく。
これで夜まで飲食には困らない。
そしてレジへ持っていったタイミングで女性が戻ってきた。