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小学校から出た雄一が運転しながら大きなため息を吐き出した。
小学校へ行けばなにかさらなる手がかりがつかめると思っていたけれど、とんだ思い違いだった。

「そんなに落ち込むなよ。畑のじぃさんだって言ってただろ。子供が行方不明になった後に手足が発見されたから、忘れられたんだって」

「そうだとしても、あの事務員さんが忘れてるとは思えない。小学生じゃなかったんだ」
「次はどこに行くつもりだよ?」

車は迷うこと無く道を突き進んでいる。
次の行き先がすでに雄一の中で固まっているからだろう。
「隣町の中学校に行ってみる。この辺の学校はもうそれしかない」