『ちょっと、なにすんだよ!』
自分が考えていたような甘いシチュエーションではないと気がついた途端、声を荒げて睨みつけてくる。
こっちが本性なんだろう。

俺は答えずにむりやりそいつの手を掴んで指紋認証した。
スマホのフォルダを開くと、夏美が行っていた通りひどい動画が残されていた。

男子生徒が自主退学したというのにこの動画を残しておくなんて、ちょっと頭が足りないんだろう。
俺はその動画を自分のスマホに送ると、女子生徒を開放した。
『お前、今やったこと全校生徒にバラしてやるからな!!』

女子生徒は怒号を上げて逃げていく。
俺はその後姿を見送ること無く、アプリを使って動画を加工し始めた。

夏美の顔にすべてモザイクをかけるのにそう時間はかからなかった。
夏美の肌が露出しているシーンは全部カットして、男子生徒が夏美にのしかかりそれを見て笑っている女子生徒たちの顔が写り込んでいる場面を切り取ってつなぎ合わせていく。

『これでできた』

俺はその動画を学校のホームページから学校あてに送信したのだった。