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暗い中、雄一が何度も鳥居をくぐっては舌打ちしている。
「雄一、もうやめよう」

達也が声をかけても反応しない。
「入るんだ。俺も、いまよい村に入る」
ブツブツと繰り返しながら何度も何度も鳥居をくぐる。

「いい加減にしろよ！」
達也が雄一の腕を掴んで鳥居から無理やり引き剥がした。
そして運転席へと無理やり乗せると、自分は助手席から車に乗り込んだ。

「なにするんだよ！　俺もいまよい村に入るんだ！」
「無理だ！　俺たちじゃいまよい村に入るなんてできねぇんだよ！　わかってんだろ！？」

達也のどなり声に雄一が黙り込んだかと思うと、今度はハンドルに突っ伏して嗚咽し始めてしまった。
「しょうがねぇじゃん。決まったヤツしか入れないんだ。いつまでもここにいたってどうにもならない」