「 俺は翔の事を恋愛的に好きじゃないから、セックスなんてできない。

それに女性が恋愛対象だから、翔がその対象になる事もない。

だから本当にごめん。 」


ここは下手に期待をさせずハッキリ自分の意思を告げ、今まで貰ってきたモノを返していかなければ駄目だと考えた。

このままズルズルと翔の時間を奪っては絶対にいけない。

俺は性欲は人より少し弱いと思うが、その対象は女性……だから申し訳ないが翔の想いには答えられない。

相当な覚悟を持ってそう告げると、翔はハァ……と大きなため息をついた。


「 そう。分かった。 」

「 ごめんな……。 」


申し訳無さに下を向こうとしたが……翔は俺の顎をグッと強い力で掴み上を向かせると、そのままニッコリ笑った顔をこれでもかと近づけてくる。


「 ────で? 」

「 ……えっ??な、何が……?? 」


言っている意味が分からず聞き返すと、翔は更に大きなため息をついた。


「 ん~……だから、今後の予定だよ。

じゃあ、まずはキスに慣れる所から始めて、徐々に触れ合う様にしていくしかないかな。

はやくセックスしたいけど……まぁ、ここは公平にしないとね。 」


「 …………。 」


────えっ?全然意味が分からない。

公平って何が???


「 いや……だから、俺はお前の気持ちに答えられないって────……。 」


「 ??二回も言わなくても大丈夫だよ。

だから頑張ろうね。 」


「 ?????? 」


もう理解が追いつかず、プスプス黒い煙が脳から吹き出す様になると、翔は俺のオデコにチュッチュッとキスをしながら説明してくれた。


「 全く……源は本当に頭が弱いなぁ~。

だから、源は俺の気持ちを受け入れたくない。

俺は好きだから受け入れて欲しい。

そういう事でしょ? 」


「 うんうん、そうそう。 」


ズバリ告げられる今の状況に、必死で頷く。

恋愛とは俺の常識ではそうやってすれ違い、一方の気持ちが帰ってこなければ成立しないモノだ。

つまりこの恋愛は成立しない!────が当然の答えだと思っていたが、翔は全く予想外の答えを口にした。


「 じゃあ、ここで恋愛にしない!ってなると、源の希望だけが通るって事じゃない?

それってすごく不平等だよね?

だから、源はこれから気持ちを受け入れる様に少しずつ努力する事。

俺は直ぐにセックスしたいけど我慢して少しづつ進める事。

ほら、これでお互い我慢しないといけないから平等になったね! 」


「 ????え……??

えぇぇぇぇ…………?? 」


ゴチャッ!とした頭で必死に考えると、とりあえず俺も翔も我慢する事は確かに同じ。

でも────……なんか違う気がする!!


「 いやいやいやいやっ!!?

なんか違う気がする!!

やっぱりそれ、おかしいだろ! 」


「 ??どこが??

でも……そっか~!源は自分の想いだけを通して良いって考えなのかな?

だったら俺もそれで。

はい、遠慮なくいただきま~す。 」


ニッコリとそれはそれは美しい顔で笑った翔は、そのまま俺の乳首をコリコリと弄りだし、ズボンを力ずくで降ろしてきた。

そしてまたしてもお尻の奥に向かって指を伸ばしてきたので……俺は力の限り叫ぶ。


「 分かった────!!!

それでいいから!!それでお願いしま────す!!! 」


体中鳥肌を立てながら半泣きで叫ぶと、翔は少々不貞腐れながらも手を止めてくれた。


「 ……はぁ。まぁ、仕方ないか~。

ホントはこのまま無理やり進めたいけど、少しづつ進めていくのも楽しいかもね。

そういうのしたことないし……。

じゃあ、とりあえずお風呂でお互いの体を洗う所からしてみようか。」


「 ……あ、あぁ……。じゃあ、それで……。 」


背中の流し合いなら初めてではないので了承すると、翔はほぼ丸裸の俺の服を丁寧に脱がし、次に自分の服を豪快に脱ぎ捨てる。

するとどうしても目が行くのは、まったく治まる事のない翔のソレ。

男として凄いと思う……それはそれはご立派なモノだ。


「 さ、俺ちょっと限界だから早く。 」

「 ……ん……?んんん~??? 」


唖然とそれを見ながらお風呂へ直行すると、泡と共に翔の身体を洗わされた。


えっ?なんかおかしくない??


初めてマジマジと見せつけられる他人の身体と、洗ってみよう体験の様な事をさせられている異常事態に、思考は遥か彼方へ飛んでいく。


「 ……うん……凄く気持ちいいよ。

本物の源の手……っ……。 」


そんな翔の声も耳から抜けて、もう無心で手を動かしていると……合間合間にベチャベチャキスの猛攻撃を受ける。


「 ……そうそう、上手上手。

ほら、お返しにココ洗ってあげるね。 」


そうして気がつけば風呂場に押し倒されていて、体中を触られるし舐められるし、もう体を汚しにきたの?と尋ねたい状態になった。


「 ……えっ…………????

????

ん……んんんっ???! 」


「 こうやってゆっくりお互いを知っていくって、面倒だけど……なんか良いね、こういうのも! 」


翔はクスクスと嬉しそうに笑いながら、楽しそうに触れてくるので、、本気で焦って翔の胸元を力いっぱい押す。


「 やっ、止めろって……!

こ、こんな事…………うわっ……!! 」


「 ん~……? 」


翔は俺の抵抗などものともせずに、俺の足を掴んで、まるでおむつを変えられる赤ちゃんの様な格好をさせた。


「 ……ハハッ。……すっご……。

源の全部……丸見えじゃん……。 」


翔は息を乱しながら、ジロジロと俺の全てを舐める様に見つめてくる。