命尽きるこの日まで




村を出ても広がるのは夏に似合わぬ黄土色一色の地。そして果てなく続く紺碧色の空。長く眩しい白色の太陽。

どこも同じだったよ。この辺り一帯はみんな俺たちの村と同じくらい干からびていた。聞こえるのは蝉の鳴き声と、それと小さな泣き声。痛いほどの熱を浴びながら俺は江戸を目指す。
ん? ……ああ、うん。助けられない。俺の力じゃ啜り泣く童一人救えない。呆れないでね、怒らないでね。今から死に向かうのにできるだけ他人を巻き込みたくないんだ。
見捨てるのもおんなじだなんて聞きたくないや。こうなるのが俺たち庶民の運命だったんだよ。