* 俺はお墓で手を合わせていた。 今日は月命日。 手を合わせながら話すのは優奈のこと。 「俺が優奈を守るから」 お墓に向かって誓いを立てていると、後ろに気配を感じた。振り返るとそこには花束を持った優奈が立っていた。 「優奈……来たんだね」 優しい口調でそう言うと、眉を寄せた優奈が頷いた。 「海音も山音と話しをしに来たの?」 「うん。優奈の話をしてた」 「えー。どんな話」 「優奈が今日も可愛いって」 真っ赤になりながら、優奈は笑った。