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 日曜日だというのに、俺は制服を着ていた。今日は山音の四十九日。お寺からお墓に場所を移し、線香に火を付ける。皆がお墓に向かって手を合わせ、山音に声を掛けている。優奈も手を合わせて静かに何かを呟いていた。俺も最後に手を合わせ、誰にも聞こえないように小さな声で呟いた。

「心配すんな。優奈は俺が守るよ」

 お墓からの帰り道、家までは歩いて帰れない距離では無いため、歩いて帰ることにした。それを聞いた母が心配そうにこちらを見た。

「事故には気をつけてよ」

「うん。分っているよ」

 そんな俺達の会話を聞いていた優奈が、自分も歩いて帰るからと言い出した。

「優奈ちゃん、海音のことお願いね」

「まかせて下さい」

 二人の会話を聞いて、俺は子供じゃ無いんだけどと苦笑してしまう。

 母達が乗った車を見送り、俺達も歩き出す。日が傾き始め、少し涼しくなって来た。

 もうすぐ秋だ。

 季節は巡っていく。

「優奈、寒くない?」

「うん。大丈夫だけど、手……繋いでくれる?」

「ん、いいよ」

「海音の手……温かいね」