84話

「ゆとぉ……大丈夫?」
僕はずっと泣いていた。
もう、時刻はあの時と同じ夕方になっていた。
「もう、帰ろう?」
「……うっん」
そして、僕たちはあの交差点の前を通った。
その交差点を見たとき、そこにはたくさんの花束がおいてあった。
「あ……花束」
「「「「「今日って」」」」」
ゲームをして、湊とあってたから、実感がなかったけど……
「湊の……命日だ」
「そうだね」
「そういえば、最後に祈里言ってた、湊の本当の願いって何だったんだろう……?」
「それは」
僕は自信をもって答えた。

「僕たちが、幸せに、生きることなんじゃない?」

「湊の、ことだしさ」
「そうだね」
「本当に、そうかもね」

みんなで、笑いあった。

僕は、心の中で。

「湊。湊の願いは、『僕たち』が叶えてあげる」

だから、

『また会える日まで、待っててね』

これは、

僕が、かなえたい。

『とある夏の約束』

いつか、絶対にかなえるから。

幸せになったよ。

湊のこと忘れてないよ

湊の分まで長生きしたよ。

ってことを、伝えに行くよ。

だから、湊、待っててね。