7話(夏芽視点)

私、尾田夏芽は住宅街を恐る恐るヘッドフォンをつけて歩いていた。
「……うぅ……誰もいないよねぇ……」
皆、どこにいるのかなぁ……
彩音は森だって言っていたし、住宅街にいる私とは場所が全然違うんだろうなぁ……
……おなかもすいたなぁ……
そして私は誰もいなさそうな、住宅を見つけた。
「……誰も、いないよね……?」
私は、その家の中に入った。

「……」
よかった……誰もいない……
そして私は家の中を物色することにした。
ここの家に住んでいる人にはごめんなさいっ!
私はまず台所をあさった。
冷蔵庫があり、シンクがある普通の台所だった。
「あ……」
冷蔵庫を開けると、保存可能なチーズやゼリー、ヨーグルトなどがあった。
お肉もあったけど、色が明らかにおかしかったから腐ってるよね……
「でも、なんで……」
人が住んでいた形跡はあるのに、食べ物が腐っているの……?
住んでいた人が忘れてたのかな……
ほかにも少し家の中を回ることにした。
そして私は、その家の二階の窓から、すごいものを見てしまった。

「ひっ……」

それは、私が、最も苦手な光景だった。

「みんな……助けて」
そう思ったけど、これは私一人で解決しないといけないのかな。
私は勇気を振り絞って、家を出て、隣の家に向かった。