6話(樹季視点)

ん…………眠い……
俺、相川樹季は眠気と戦っていた。
眠い。ここがどこかもわからない。
皆にも場所言い損ねたからみんなも来てくれないし……ここどこ……?
見渡す限り、石畳。その奥に何かがあるように見えるけど……
ここで寝たら痛いだろうなぁ……
寝ないでいかないといけないのかぁ……
「はぁ……」
とりあえず歩くか……
そして、俺は踏み出した。

歩いていて感じたことがあった
それは、歩くたびに石畳の色が変わっていくことだ。
灰色の石畳だったのにどんどん、あの時の赤色のような色に少しずつ変わっている。
……ここに落ちるのは、俺でよかったな。
みんなだったら、耐えられないと思うから。
あ、そういえば……ゆとと夏芽、大丈夫かなぁ……
ゆとは草の中だって言っていたし……ゆと、確か虫ダメじゃなかった……?
夏芽は住宅街だって言ってたし……大丈夫かなぁ

俺は、別のところにいる仲間のことを考えながら
あの時の色に染まってゆく、石畳の上を歩いて、遠くに見える、何かを目指して歩いていく。
安全なところで、寝るために