57話(ゆと視点)

僕はナイフをもって、自分の胸部に刺そうとした。
「ふぅ」
覚悟を決めて、刺そうとした瞬間、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ゆと!まって!」
「……え?」
その声は夏芽だった。
そして夏芽は僕にとびついてきた。
「うわぁっ!」
その拍子に僕は体制を崩して、ナイフを手から落としてしまった。
「あ……!」
そのナイフはとびついてきた、夏芽に刺さった。
「……え?」
「夏芽、夏芽!大丈夫?」
「え……?」
夏芽の体が赤く染まっていく
「大、丈夫。あとで、待って、るから。ゲームクリア、しよ」
そして、僕は夏芽に言った。
「夏芽、選択先に『祈里』を選んで!」
「……わ、かった」

そして、夏芽の息は途絶えた。
夏芽の体からナイフを抜き取って、自分に刺した。

僕は、選択先に『湊』を選ぶ