35話(湊視点)

ゲーム開始、1か月前
「湊……僕の素顔見る?」
「神様?……ずっとお面してるのに?」
「だからだよ?気にならない?」
気になるか、気にならないかだったら、気になるけど……
考えている間に、神様はお面のひもをほどき始めた。
そして、お面が床に落ちた。

カタン

「へぁ……?」
その、ボクを見つめていた顔は、ボクとそっくりの顔だった。
「湊、へへっ」
「っボクが……2人?」
ど、どっぺるげんがー……?
ボクは思わず後ずさりをした。
「いやだなぁ……僕は、湊が作ったんでしょ?」
「……ぼ、ボクが?」
「湊の、最後の祈りを聞き届けたんだよ」
「え?」
最後……?
それに、ボクは心当たりがあった。
もしかして、

「みんなで、ゲームをしたかったな」

って、最後に思っていたから?

「そうだよ。だから、僕は湊の感情から作られた、湊の願いをかなえるためだけの神様の祈里ってわけだよ」
うぇ……?

そして、ボクの耳もとで、こうささやいた。
「大丈夫、祈りはしっかり、叶えるからさ」