3話

僕は、一面草の場所で目覚めた。
「ん……?えっと…………?」
その瞬間、目の前に透明な板……プロジェクターみたいなのが出てきた。
そして、そこから音声が聞こえた。
「こんにちは。皆さん。聞こえているかな?ボクは祈里です。ここの、ゲームマスター。覚えていてくれると……うれしいな」
ゲームマスター……?
そして、画面に4人が映された。
「あ、望、樹季……彩音……夏芽」
これを僕見れるということは…………多分、4人も見えているんだろう。
「お互いの顔は見えたかな?話をしようかな」
そういって、祈里……さん……?話を始めた。……ところでここは……?
「ここは、現実世界とは切り離された、孤島です。そこで、皆さんには真ん中の白い塔を目指してもらいます。そこに全員ついたら、皆さんの勝ちです」
……全員……が……
「ルールは、それだけ。死んだら、一回まで生き返ります。それは選択で誰かのもとに飛ばされます。ただそれだけ。負けたら一生ここで過ごしてもらいます」
一生……
「5分だけ、みんなで話していいよ」
「みんな、大丈夫……?」
「は~い!大丈夫だよ、ゆと」
「……みんなどこにいるの……彩音」
「ん~夏芽。私は森の中ぁ」
「僕は、草の中かな」
「俺は、眠い」
「おれはぁ……砂漠……?」
砂漠なんてあるんだ……この孤島ってなんでもあるのかな……?
「……樹季……真面目に教えてよぉ……私は……住宅街……人いなくてっ助かった」
あ……そうか……
「はぁい!みなさん、5分経ちました!皆さん、頑張ってください!」
そして、一瞬映像が切り替わった気がした。
そして、その映像の口元が見えた。
勘と思い込みがすごい僕だけが見えたのかもしれない。
その口元が、
『頑張ってね、みんな』と
動いていた、のは気のせいなのか……?
まぁ、気のせいか。