25話(祈里視点)
~2年前~
夏休み最終日(3)
「ふふぃ。みんな、答え合わせ、していい?」
「いいよ。港」
「「「「「「せーのっ」」」」」」
そしてみんなが見せた画面は一緒だった。
今ここで、みんなが笑いあっている写真。
「だよねぇ……」
「俺が寝ることよりも……唯一好きなこと」
「ゲームをみんなでやるのが楽しいの」
「そうだね!」
「じゃあ、今日はこれで解散か……また明日、学校でね」
「うん。じゃあ明日」
「うん」
夏芽と、ボクが同じ方向。
望と彩音が反対方向。
ゆとと樹季が横にある脇道。
そこへ向かって歩く。
明日学校でと、あいさつを交わして。
それが、叶わないと、知るのには、1分もかからなかったと思う。
ボクが歩いた方向の歩道にトラックが猛スピードで突っ込んできた。
ボクは夏芽を突き飛ばした。
それに気づいてないのか、トラックはスピードをあげるだけで、スピードを落とす気配もない。
時速130キロは超えてたと思う。
ただの、国道で。
ボクがよける時間はもうない。
ボクが最後に見たのは夏芽を突き飛ばした時の夏芽の顔と、居眠りをしている、トラックの運転手の姿だけだった。
「夏芽、怪我してたら、ごめんね」
みんなで、ゲームをまだしたかったな。
ボクは最後にそれを祈った。
~2年前~
夏休み最終日(3)
「ふふぃ。みんな、答え合わせ、していい?」
「いいよ。港」
「「「「「「せーのっ」」」」」」
そしてみんなが見せた画面は一緒だった。
今ここで、みんなが笑いあっている写真。
「だよねぇ……」
「俺が寝ることよりも……唯一好きなこと」
「ゲームをみんなでやるのが楽しいの」
「そうだね!」
「じゃあ、今日はこれで解散か……また明日、学校でね」
「うん。じゃあ明日」
「うん」
夏芽と、ボクが同じ方向。
望と彩音が反対方向。
ゆとと樹季が横にある脇道。
そこへ向かって歩く。
明日学校でと、あいさつを交わして。
それが、叶わないと、知るのには、1分もかからなかったと思う。
ボクが歩いた方向の歩道にトラックが猛スピードで突っ込んできた。
ボクは夏芽を突き飛ばした。
それに気づいてないのか、トラックはスピードをあげるだけで、スピードを落とす気配もない。
時速130キロは超えてたと思う。
ただの、国道で。
ボクがよける時間はもうない。
ボクが最後に見たのは夏芽を突き飛ばした時の夏芽の顔と、居眠りをしている、トラックの運転手の姿だけだった。
「夏芽、怪我してたら、ごめんね」
みんなで、ゲームをまだしたかったな。
ボクは最後にそれを祈った。



