18話(彩音視点)

「あっついなぁ……」
私は火の中に踏み出して中に入った。
熱くて、焼かれていたいな。
違う痛みかもしれないけど、港も痛かったんだよね。あの時。
私はここで死んで、誰のところに行くのかな……選べるんだっけ……
まぁ、適当に決めてもらおう。あの祈里って人に。
私の命は、たぶんここで途絶えた。

「ん…………」
「自分から死ぬなんて、面白いことするねっ。」
「面白いは楽しい。って昔言ってた人がいたから」
「で、誰のところに行く?」
ん…………どうしようかな……
「誰でもいいよ」
「じゃあ、ボクが決めるね」
「ん」
そして、その瞬間、祈里って人が見えて、あの、流れ星のキーホルダーが視界を奪った。
「あ、そのキーホルダー…………どこでっ」
「じゃあ、飛ばすね~」
祈里は私の話も聞かずに、誰かのところへ送ろうとしている
「そのキーホルダー……」
どんどん、気が遠くなっていく。
これで、もう死ねなくなった、だから、祈里って人に真相をきくことはできないのかぁ……
その瞬間、祈里は何かを言った。
「彩音。頑張ってね」
「……み…………と?」
その、作った声じゃなくなった、素の声は…………に似ていた。
「誰にも、言わないでね」
私はそれに頷くしかなかった。
「うん」と。