15話(祈里視点)

「みんな、頑張ってるなぁ……」
ボクはみんなのことを見ながらつぶやいた。
ボクは製作者だけど、みんなと一緒にゲームして遊びたいなぁ……
特に、冬にやったゲーム楽しかったなぁ……夏のゲームも楽しかったけど……
夏といえば、脱出ゲームとホラーゲームだよって話もしたなぁ……
……ラムネが飲みたいなぁ……
でも、祈里が、ボクだってことは、まだ言えないな。
ボクが、入野湊だってことはさ。

ボクはジャラと鎖がこすれる音がする腕を持ち上げて目を覆った。

~3年前(1)~

「メリークリスマスッ!」
「いぇ~い!」
「今日さ、クリスマスだからできるゲームしようよ!」
「お、いいねぇ、彩音」
「いいでしょ、望。みんなはどう思う?」
「ボクは、賛成だよ」
「……ん」
樹季は……寝てるや。
夏芽は……楽しそうに携帯ゲームをしていた。
「じゃあ、決まりでいい?」
ボクは言った。
「じゃあ、内容を私、水鳥彩音が説明しよう!」
そして、夏芽はルールを説明し始めた。
「ルールは簡単。この箱から、お題を引いて、この家からスタートするの」
そしてどこからか箱を持ってきた。
「それだけじゃわかんねぇよ、バカ彩音」
「うるさい、続きあるもん、バカ望」
このままだと言い争いが続いちゃうっ
「彩音、望っ、続きは?」
「あ、おっけぃ、港」
「そのお題をクリアしてから、ここらへんで一番大きい商店街のクリスマスツリーの下についた人が勝ち。最下位のひとがみんなにお汁粉おごるの。どう?」
「いいね。ボクはやる!」
「じゃあ、お題は……1人1枚考えて、シャッフルしよう!」
何のお題にしようかな……ボクは考えた。