14話(ゆと視点)

僕は海の目の前にいた。
そして、その海の遠く向こうに白い塔が見えている。
海を渡らないといけないところに。
「あぁ……」
僕は泳げないんだけどなぁ……どうしよう……
ここで死んで誰かのところに行く……でももったいないな。この先何かありそうだし……
どうせ死ぬなら楽しくて面白い死に方がいいしなぁ
まぁ、少し入ってみるかぁ……
僕は靴と靴下を手に持って、ズボンのすそをあげて海に入った。

ちゃぷ

「あ……」
ちゃぷんと足に海水がまとわりついた。
思ったより浅かった。
これ、歩いて行けるんじゃ……?
僕は海の中を歩いた。
ここで、死ぬより面白いところで、死んだ方が楽しいし。
あと、祈里の一言が気になるし……
選択して、誰かのところに行ける……これが、気になるんだよね……

とりあえず、海頑張って渡ろ。