10話(彩音視点)

「ふぅっ」
木のてっぺんまで登った私は周りを見渡した。
周りにはやっぱり木しかなかった。
「えぇっ、これ、どの方向に向かったらいいわけ……?」
そして全方向見ていくと、遠くに住宅街があった。
「あっ、これが夏芽の言ってたところかな」
ほかにも見てみると、小さい孤島や海が見えた。
そして、島の中心と思われるところに白い飛び出たものがあった。
「あ、これかぁ」
でも、遠いなぁ……
森だからめんどくさいのかなぁ……
森、全部焼きはらっちゃおうかなぁ……
確か……死んだら、一回だけ生き返られるんだよね……?
でもなぁ……どうやって焼けば……
…………あっ
私は木を降りて、石を探した。
ほかにも、葉っぱと草を集めた。
夏だからあまり落ちていなかったけど、木からとったりして集めた。
そして、大きな山にした。
そして、石をもって、石と石を打ち付けた。

かちっかちっ

火花が飛んだ。その火花はみんなでやった花火に似ていた。
そして、葉や草、枝に火花が飛んで、火が付いた。
「……誰のところに行くのかな。しっかり森を……私を燃やしてねッ」
森を、燃やすなんてはじめてだなぁ……
そして私は、燃えている草の山にむかって1歩踏み出した。