目が合った。
こんなにしっかり誰かと目が合ったのは、はじめてだと本気で思った。
一瞬、本当に時間が止まったのかと思うほどシンと静かな時間が流れてから、また再び休み時間の廊下の騒がしさに包まれる。
「ねぇ、プリント落ちたよ」
その声に振り返った。
一歩一歩近づいてくるその人に、私は一目惚れしてしまった。
この恋が、長い間止まったままになっていた時計を動かす電池になるなんて、知らないまま。
「じゃあね」
「あ、ありがとうございます!」
にこりと微笑む黒髪短髪で色白の彼は、私の手元に重なるプリントの上に落ちたプリントを乗せて、颯爽と去っていった。
あの人は誰なんだろう。
何組の人なんだろう。
また、会えるかな。
頭の中は一瞬でその人でいっぱいになってしまう。
「高橋さーん、早くプリント持ってきて!」
「……ぁ、はい!」
少し前を歩く先生に急かされて、私はその人のことを遅ればせながら追いかけることは叶わなかった。
こんなにしっかり誰かと目が合ったのは、はじめてだと本気で思った。
一瞬、本当に時間が止まったのかと思うほどシンと静かな時間が流れてから、また再び休み時間の廊下の騒がしさに包まれる。
「ねぇ、プリント落ちたよ」
その声に振り返った。
一歩一歩近づいてくるその人に、私は一目惚れしてしまった。
この恋が、長い間止まったままになっていた時計を動かす電池になるなんて、知らないまま。
「じゃあね」
「あ、ありがとうございます!」
にこりと微笑む黒髪短髪で色白の彼は、私の手元に重なるプリントの上に落ちたプリントを乗せて、颯爽と去っていった。
あの人は誰なんだろう。
何組の人なんだろう。
また、会えるかな。
頭の中は一瞬でその人でいっぱいになってしまう。
「高橋さーん、早くプリント持ってきて!」
「……ぁ、はい!」
少し前を歩く先生に急かされて、私はその人のことを遅ればせながら追いかけることは叶わなかった。



