私は知らなかった。
恋愛をすることは、多少の損失を伴うことになるということを。
そして、それがどれだけ悲しいものなのかを。
このことを知っていたら、何かが変わったのか。
見て見ぬふりをしないで向き合っていたら、今もあなたが隣にいたのかな。
ずっと子供のままでいられたら。
ずっと時計が止まったままだったら。
そうだったらよかったのに。
そんなことを、一人になると考えてしまう。
どこの誰かもわからないあなたを、探してしまう。
ねぇ、あなたは誰?
空に向かって問いかけても、誰も答えてくれなかった。