「ぬまぁ」
僕は、さっきと同じ場所で気が付いた。
そして、倒れていた体を起こした。
そこにちょうど、先生がやってきて、話しかけられた。
「おい、安曇野そんなところで寝て何やってんだ。もう生徒は下校してる時間だぞ。明日も学校あるんだから早く帰りなさい」
それを聞いて、思わず僕は先生に聞いてしまった。
「……日下部先生、明日学校、あるんですか?」
「なにいってんだ?安曇野。もう夏休み気分なのか?」
「……夏休み?先生、今日って何月何日ですか?」
「ん?……7月3日だが……」
「7月……?卒業式は……?」
「卒業式?なにいってんだ?安曇野、どうした?今日おかしいぞ?制服も長袖だし」
「……いえ、大丈夫です。さようなら」
「おい、何かあったらいうんだぞ……」
僕は先生の言葉も聞かずに走り出した。
ここは、卒業式から……約半年前ってこと……?
あの、ホログラムの少女が言っていた通り過去に戻ったって……こと?
もう、過去に、もどったのなら、

「誰かを、そして、僕が幸せになる『物語』をつくろう」

……でもあれ……?
「どうやって、『物語』ってつくるんだろう」