「これは……いいんですか?」

 満足そうに笑っている三木先輩と菊川先輩に聞いてみる。

「何が?……うーん、そう、ね」

 セイ先輩に前を向いてもらって後ろから指をさすと、三木先輩が唸った。
 セイ先輩が穿いていたバスパンは後ろから見るとスカートからはみ出ていて中途半端に見えたから。

「脱いだ方がいいね!」
「は!?そんなの嫌に決まって……」

 しゃがんでセイ先輩の腰を片腕で捕まえる。
 そのまま引いてもバスパンの紐が結ばれていて落ちず、スカートを捲ってさっさと紐を解いた。

「なっ!ヨッシーっ!!」
「やるからにはちゃんとしましょうよ?」

 足首までバスパンを下ろしても、しばらくセイ先輩はグッと拳を握っている。
 やり過ぎただろうか?でも、

「小嶋!かわいいってぇ!」

 三木先輩がにこにこと笑うと、セイ先輩はバスパンから足を抜いて少しずり下がった黒のニーハイソックスを引き上げた。
 短めのスカートから先輩の黒いボクサーパンツが見えたがそこはもう仕方がないだろう。

「じゃっ、行くよー!」

 セイ先輩の腕を掴むと、三木先輩はさっさとドアを開けた。

「じゃ〜んっ!どう?」

 その大きな声にみんなが気付いて騒いでいるのが聞こえてくる。
 菊川先輩はそこにはついて行かず、落ちたままになっていたセイ先輩のバスパンを拾うと数回払って綺麗に畳んだ。

「菊……」
「かわいかったねぇ。小嶋くん!ミキもめちゃくちゃカッコいいし!」

 掛けようとした言葉は菊川先輩の言葉に飲まれる。

「……本当、お似合い」

 ポツリと零された言葉がやけに重く響く気がした。