リレーの決勝、女バスは六チーム中、三位。
 菊川先輩は笑顔で三木先輩を出迎えていて、女バスはみんなで抱き合っていた。
 少し間を空けて、今度は男子の決勝が始まる。
 俺たち男バスは退場門よりは少し正面に近いゴールがよく見える位置にみんなで揃っていた。
 しかも、引退した三年、タケ先輩とシュウ先輩もだし、いつも居ないハナ先輩までも。

 それぞれの部が紹介されて、ヒサはボールを高く上げてピョンと跳ぶ。
 テニス部、ハンド部、陸上部、サッカー部、野球部……どこも上位ニチームに残ったガチのメンバー。

「位置について……」

 静寂の間、みんなの背後からわずかに見えるヒサのユニフォームを見つめた。
 ピストルの音でどのチームも一斉に飛び出す。
 予選のようにはいかないが、ヒサは陸上部と先頭を争ってインでカーブを曲がった。

「ヒサっ!!」

 モト先輩が手を挙げて、陸上部とほぼ同時にそれぞれのバトン(俺らはボール、陸上部はバトンと共にストップウォッチを次の走者の首に掛ける)を繋ぐ。
 その後もほぼ間を空けることなくサッカー、ハンドと続き、トモ先輩に渡る頃にはどこが一位だか判別できないくらい混戦になっていた。
 抜けてきたのはハンド部。
 次いでトモ先輩で、すぐ真後ろにはサッカー部、陸上部と続く。

「トモっ!!」

 珍しくセイ先輩が叫んだことにびっくりした。