教室にはイスがないのもあって、昼に自然と集まったのは体育館。
二年はハナ先輩とユウ先輩、一年はモモとジュン以外がいつの間にか揃っていた。
「なーなー!ビッグニュース!!」
飲み物を買いに行ったはずのトモ先輩とコタ先輩が手ぶらで帰ってきて、トモ先輩が叫ぶ。
「は?」
面倒くさそうなダイ先輩は弁当を開けてとっくに食べ始めていて、何となくまだ食べずに居た俺と力也、クロ、ヒサは顔を見合わせた。
「さっきそこで、アリスちゃんが告られてた!!」
「で?」
興奮気味のトモ先輩を押し退けてセイ先輩も弁当箱を開くと、トモ先輩は頬を膨らませて睨む。
「『好きです!明日の文化祭、一緒に回りませんか?』だぞ!」
その内容を聞いてもセイ先輩は眉一つ動かすことなく、俺たちにも気にせず食べるように言ってそのまま手を合わせた。
「のん気に食ってんなよ!」
「三木はしょっちゅう告られてる」
「は?アリスちゃんに彼氏できちゃってもいいのかよ!」
「俺には関係ないし」
「へぇ、ミキを取られてもいいの?」
不意に女の声がしてみんなで一斉に振り返る。
そこに居たのは菊川先輩だった。
「これ、鍵」
部室の鍵を見せて微笑むと、菊川先輩は垂れていた髪を耳に掛ける。
入場門でなぜ受け取らなかったのか、今更後悔しても遅い。しかも、
「ミキのこと好きじゃないなら……私のこと考えてくれる?」
「は?」
菊川先輩はそれだけ言ってセイ先輩の手に鍵を乗せながら微笑むとすぐに去って行った。
二年はハナ先輩とユウ先輩、一年はモモとジュン以外がいつの間にか揃っていた。
「なーなー!ビッグニュース!!」
飲み物を買いに行ったはずのトモ先輩とコタ先輩が手ぶらで帰ってきて、トモ先輩が叫ぶ。
「は?」
面倒くさそうなダイ先輩は弁当を開けてとっくに食べ始めていて、何となくまだ食べずに居た俺と力也、クロ、ヒサは顔を見合わせた。
「さっきそこで、アリスちゃんが告られてた!!」
「で?」
興奮気味のトモ先輩を押し退けてセイ先輩も弁当箱を開くと、トモ先輩は頬を膨らませて睨む。
「『好きです!明日の文化祭、一緒に回りませんか?』だぞ!」
その内容を聞いてもセイ先輩は眉一つ動かすことなく、俺たちにも気にせず食べるように言ってそのまま手を合わせた。
「のん気に食ってんなよ!」
「三木はしょっちゅう告られてる」
「は?アリスちゃんに彼氏できちゃってもいいのかよ!」
「俺には関係ないし」
「へぇ、ミキを取られてもいいの?」
不意に女の声がしてみんなで一斉に振り返る。
そこに居たのは菊川先輩だった。
「これ、鍵」
部室の鍵を見せて微笑むと、菊川先輩は垂れていた髪を耳に掛ける。
入場門でなぜ受け取らなかったのか、今更後悔しても遅い。しかも、
「ミキのこと好きじゃないなら……私のこと考えてくれる?」
「は?」
菊川先輩はそれだけ言ってセイ先輩の手に鍵を乗せながら微笑むとすぐに去って行った。

