障害物リレーの招集で集まったメンバーを見てやはり場違い感が否めない。
 どう見たってテンションの高いクラスのムードメーカーたちが揃っていて俺はメガネを上げつつため息を吐いた。
 俺がこんなことをしているうちに菊川先輩はセイ先輩から鍵を預かって談笑しているだろうに。
 メンバーが揃ったのを確認されると、前の玉入れが終わったらしく片付けが始まった。
 同時に次の競技、この障害物リレーの準備が進められる。
 ラインを引いて置かれた麻布、テニスラケットの上に置かれたサッカーボール、竹馬、テーブルの上にいくつか置かれた謎のケース。
 去年は縄跳びをしながらバスケットボールをドリブルと聞いていたのがなくなってラケットとサッカーボールになったらしい。

「吉井!頼んだぞ!」
「いや、ラストは運だろ」

 同じクラスの奴に言われても「任せろ」とは言えない。
 第一走者、“跳ぶ”は麻布の袋に入って跳ぶ。
 第二走者、“バランス”はボールをラケットに乗せて走る。
 第三走者、“走る”は竹馬に乗って走る。
 アンカー、“運”は白い粉の中からマシュマロを探してゴールまで駆ける。
 レース前におもしろおかしく説明されてため息を吐いた。
 しかも、レースは学年ごと。
 一年からスタートでとにかくやるしかない。
 なのに、六クラス一気にスタートしたがうちのクラスは断トツドベ。
 俺がテーブルに辿り着いた時には周りは顔も髪も粉で真っ白になっていた。