「じゃあ、“まーちゃん”で!」
「何でよ!」
「先輩が照れてかわいいからです」
「意地悪」
「それでも俺はあなたが好きなんです」

 ポコポコと叩いてくるその両手首を捕まえて微笑むと、先輩の顔は更に赤くなった。

「“流星”でしょ?」

 笑ってその赤い顔に近づく。

「っ!!」
「好きですよ」

 手首を離してその頬に触れると、先輩はギュッと俺の首の後ろに腕を回してしがみついてきた。

「まーちゃん?」
「〜〜〜っ!!」
「くっつき過ぎてキスできません」
「何でそんな……っ」

 言いながら体を起こした先輩の口を素早く塞ぐ。
 笑うと、真っ赤な先輩が俺の頬をグニッと伸ばしてからもう一度近づいてきて今度はしっかりと唇を重ねた。



 どんな先輩も好き。
 普段クールなくせに俺の言葉一つでこんなにも照れたり笑ったり、表情を変える先輩。
 冷たくされても、学年が違って不安になっても……どこまででも追いかけて「好き」と伝えるから。
 怒っても、笑っても、泣いても、照れても……この先何があっても……

 それでも俺はあなたが好きです!!