発表会は順調に進み、途中、二十分と少し長めの休憩を挟んでプログラムは後半になった。
 幼稚園児たちが楽しそうにかわいらしく笑顔で踊り、小学生たちが少し技も増やしてリズミカルに演技する。
 中学生になると表現力も技の精度も上がってため息が出るほどで拍手も凄かった。
 そのプログラムの一番最後は先輩。
 中学生以上も集団演技だけでなく、プログラムのあちこちに個人演技が入っていたが、あの体育館で見た先輩のリボンほどの演技はなかった。
 そして、今回書いてある先輩の手具はクラブ。
 俺も事前に調べてきたし、前半で個人演技も中学生たちの集団演技も見たが……リボンとは違うスピード感のある手具らしく足に負担はないのかと心配でもあった。
 更に二つ手前の小学校高学年のフープの途中から先輩の姿が見えなくなって落ち着かない。
 先輩の前になる中学生のボールの集団演技の音楽を流しても、先輩はまだ戻って来なかった。

「……先輩」
「何?」

 立ち上がった瞬間、ピョコっと顔を出されて焦る。

「え?」

 驚いてバクバクしていた心臓。
 だが、ジャージを脱いで衣装になった先輩を見て俺は慌てて顔の向きを変えた。
 更に心拍が上がってしまってヤバい。

「は?」

 不満そうな先輩。
 だが、大部分が肌色の生地?で作られている衣装はほとんど着ていないようにしか見えなくて直視なんてできなかった。