バレンタインの朝。
手招きをしている先輩を見つけて駆け寄る。
「はい、コレ。まぁ、簡単なモノで申し訳ないんだけど」
「え!?作ったんですか!?」
渡されたワインレッドの包みに感動してしまった。
「いや、女バスとかクラスでは毎年渡してるし、大したモノじゃないからね」
ほわぁぁぁっと見つめていると、フッと少しだけ笑って先輩はすぐに朝練の準備に行ってしまう。
「はいはい、よかったな」
そのまま動きを止めていたらしく、やって来た力也にパシパシと背中を叩かれても動けない。
忙しいのはわかっていたのに作ってくれた。
その事実が何よりも嬉しい。
力也に引っ張られて体育館に入ると包みを配り合っている女バスが目に入ったが。
もしかしたらついでだったかもしれないけど、あっちで渡しているのは大きさもラッピングも違う。
いや、やっぱ向こうがついで?と自惚れられるくらいには。
「あの女同士で配るのが増えて義理チョコ減ったと思わねぇ?」
いつの間にやって来たのか後ろにはトモ先輩とセイ先輩とダイ先輩とコタ先輩が居た。
「いや、お前今年は彼女出来たから義理も要らねぇだろ」
「気分じゃねぇか!」
呆れたようなダイ先輩にトモ先輩は口を尖らせる。
「セイも今日はアリスちゃんからもらうのか?」
「やめろ。死ぬわ」
その意味は何となく悟ってそっとしておいた。
文化祭の時に作ろうとした三木先輩の様子を俺は知っているから。
手招きをしている先輩を見つけて駆け寄る。
「はい、コレ。まぁ、簡単なモノで申し訳ないんだけど」
「え!?作ったんですか!?」
渡されたワインレッドの包みに感動してしまった。
「いや、女バスとかクラスでは毎年渡してるし、大したモノじゃないからね」
ほわぁぁぁっと見つめていると、フッと少しだけ笑って先輩はすぐに朝練の準備に行ってしまう。
「はいはい、よかったな」
そのまま動きを止めていたらしく、やって来た力也にパシパシと背中を叩かれても動けない。
忙しいのはわかっていたのに作ってくれた。
その事実が何よりも嬉しい。
力也に引っ張られて体育館に入ると包みを配り合っている女バスが目に入ったが。
もしかしたらついでだったかもしれないけど、あっちで渡しているのは大きさもラッピングも違う。
いや、やっぱ向こうがついで?と自惚れられるくらいには。
「あの女同士で配るのが増えて義理チョコ減ったと思わねぇ?」
いつの間にやって来たのか後ろにはトモ先輩とセイ先輩とダイ先輩とコタ先輩が居た。
「いや、お前今年は彼女出来たから義理も要らねぇだろ」
「気分じゃねぇか!」
呆れたようなダイ先輩にトモ先輩は口を尖らせる。
「セイも今日はアリスちゃんからもらうのか?」
「やめろ。死ぬわ」
その意味は何となく悟ってそっとしておいた。
文化祭の時に作ろうとした三木先輩の様子を俺は知っているから。

