「このスコアは見たことあるでしょ?」
「そりゃ、まぁ」
先輩の脇に立って覗き込むそれは確かによく見てきたものだ。
可愛らしい綺麗な字。
見やすく整理されたそのスコアは先輩らしい。
「何がわかんないの?」
「……先輩ってスコアってどうつけます?」
スコアからこっちに目を向けられて、俺は顎に手を置いて考えた。
「は?」
「俺、個人ファールと点数の斜線のみしかしてなかったんで」
その場所を指すと先輩は一度スコアに目を戻す。
そして、すぐに呆れた顔をこっちに見せてきた。
「ざっくり過ぎない?」
「中学の、しかも、男なんてそんなモンじゃないですか?こんな色も分けてなかったし」
軽く笑うと、先輩は小さくため息を吐く。
「赤は第一と第三。分けとくとすぐチームファールも確認できるでしょ?」
「やっぱ番号もチェックしなきゃですよねぇ」
いつもより近くに先輩が居て、そして、俺をちゃんと見てくれることにドキドキした。
もう少し……近づいてみても先輩が避けることもない。だが、
「そりゃね。誰がスリー当たってるか、フリースローの確率……そんなの私よりよくわかってるでしょ?」
「そうですけど……」
少し睨まれた気がして言葉に詰まった。
たまに感じるこの感じは一体何なのか?
「……吉井くんは何でマネージャーなの?」
「……」
じっと見られてすぐに返事ができない。
「そりゃ、まぁ」
先輩の脇に立って覗き込むそれは確かによく見てきたものだ。
可愛らしい綺麗な字。
見やすく整理されたそのスコアは先輩らしい。
「何がわかんないの?」
「……先輩ってスコアってどうつけます?」
スコアからこっちに目を向けられて、俺は顎に手を置いて考えた。
「は?」
「俺、個人ファールと点数の斜線のみしかしてなかったんで」
その場所を指すと先輩は一度スコアに目を戻す。
そして、すぐに呆れた顔をこっちに見せてきた。
「ざっくり過ぎない?」
「中学の、しかも、男なんてそんなモンじゃないですか?こんな色も分けてなかったし」
軽く笑うと、先輩は小さくため息を吐く。
「赤は第一と第三。分けとくとすぐチームファールも確認できるでしょ?」
「やっぱ番号もチェックしなきゃですよねぇ」
いつもより近くに先輩が居て、そして、俺をちゃんと見てくれることにドキドキした。
もう少し……近づいてみても先輩が避けることもない。だが、
「そりゃね。誰がスリー当たってるか、フリースローの確率……そんなの私よりよくわかってるでしょ?」
「そうですけど……」
少し睨まれた気がして言葉に詰まった。
たまに感じるこの感じは一体何なのか?
「……吉井くんは何でマネージャーなの?」
「……」
じっと見られてすぐに返事ができない。

