マギアンティア世界統一暦・1555年・7月15日・午前9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・東海地方・徳川大名王家領・遠江国中部地域・三度ヶ原・織田・徳川連合軍及び武田・北条連合軍激突地点・三度ヶ原の戦いにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 キリヤ公国連合国とゲルニアン帝国による旧撫子皇国領たるナデシコ地方自治州区の帰属問題を巡っての国境紛争が発端と成った公帝戦争が開戦と成る五日前のアマテラス神皇国では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







 日本の本州に相当する島の本州島の東海地方・遠江国、浜松城の北に位置する三度ヶ原にて、武田・春夜・信玄と北条・九江・早雲連合軍と徳川・千代・家康と織田・和紗・信長連合軍が激突しようとして居た。





 後世の世に言う三度ヶ原の戦いである。





 武田春夜はライバルである上杉・剣信を見送った後のこと、兼ねてからの悲願であるアマテラス神皇国の統一の為に、織田・徳川連合勢力を打ち破って首都国である山城国と皇都・平庵京を目指して居た。





 その第一歩である遠江国の制圧とその中心地である浜松城の攻略をするべく、敢えて兵力差の有利を活かした城攻めを避け、織田・徳川連合軍をやや困難な野戦に引き吊り出そうと企む。



 念の為に呼び寄せた同盟者である北条九江軍も加えると5万人もの大軍を用意して、新たなる宿敵たる織田・徳川連合軍に戦いを挑んだのであった。





 対する織田・徳川連合軍は、織田家は東海・北陸・畿内・四国・中国東部地域から4万5千人もの大軍を搔き集め、武田・北条連合軍の侵攻を阻止せんと三度ヶ原の戦いへと赴き、浜松城へと着陣する。





 当初の戦いでは、武田・北条連合軍が徳川家領内への攻撃作戦を優位にするべく、様々な作戦を展開して居たが、織田・和紗の奇策と、羽柴軍の2枚参謀看板たる雫半軍師しずはんぐんしと略され並び呼ばれる名参謀の名コンビによる策略と謀略。



 そして、酒井・継美の大芝居と猛将達による暴走行為が本気で行われた作戦であった。



 そして最後は、優秀な武将達による各地の転戦で、大きく織田・徳川連合軍側がやや優位に立って居ると言う図式で、三度ヶ原の戦いの決戦の日を迎えた。



 





 両軍が激突した合戦の開始時間は、午前9時30分頃に両軍が開戦し激突した。



「武田・北条連合軍の無双の勇将・猛将・知将達よっ!!!」



「この三度ヶ原の戦いに勝利すれば、アマテラス神皇国の天下は我ら物だっ!!!」





「いざっ!!決戦に及ばんっ!!!」



「それえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!!全軍突撃せよっ!!!!攻め掛かれえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!」





 ブオオオオオッ!!ブオオオオオッ!!ブオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!





 ブオオオオオッ!!ブオオオオオッ!!ブオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!





 ブオオオオオッ!!ブオオオオオッ!!ブオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!





「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」



「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」



「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」





 武田春夜の命令で、武田騎馬軍団とそれを指揮する武田四天王が一斉に攻めかかると、鬨の声と法螺貝の音色が三度ヶ原に響き渡ると、同時に同盟国である北条軍も北条・九江の命令で織田・徳川連合軍の陣地へと攻め掛かって行く。





 それらに対して、織田軍の姫武将・武将達や徳川四天王。



 その他の徳川の猛将達も、主君と領土を守らんと果敢に迎え撃つ態勢を取る。



 それを連合本陣所近くで見守って居た織田・和紗と徳川・千代の二人は、あれだけ罠や策略に嵌められた武田・北条連合軍の士気は未だに高く。



 そして、その勢いは衰えて居る所か、小狡い手口で虚仮にされた事に怒り心頭の様相を呈して居り、バカにするのもいい加減にしろっ!!と言わんばかりに怒涛の勢いに乗って攻め掛かって来て居た。





 そんな時である。



 両軍は、キリヤ公国連合国を通じてユーラシアン大陸での情勢を知られる。



 武田・北条連合軍では・・・・・・・・・・・・・・・・・



「申し上げますっ!!!キリヤ公国連合国とゲルニアン帝国。間も無く開戦の兆し在りとの報せが入りましたっ!!!」



「此方も開戦したばかりですが、キリヤ公国連合国とゲルニアン帝国も開戦の運びですか?」



「何方にしても、ユーラシアン大陸ではキリヤ公国連合国とゲルニアン帝国との決戦。一方のアマテラス神皇国地方では、我ら武田・北条連合軍と織田・徳川連合とが決戦。」



「何方の戦も、勝った方が武力衝突するかも知れないわね?」



「はい。伯母上。ですから、我らはこの戦に勝ってユーラシアン大陸の覇権国家と対峙すると言う役目を担わなければ成りません。」



「下手をすれば、伊達・上杉・毛利らとも戦う可能性すら在るのです。」



「アマテラス神皇国の将軍王は、それらからこの国の民と土地を守る責務が有ります。」



「あの信長に、その素質が在るのか?それとも私の方にそれが在るのかは?三度ヶ原の戦いで明らかと成る事でしょう。」



「さて、それは如何かしらね・・・・・」と言う伯母たる九江は、この戦いが川中島の戦いと同じ結果と言う失敗を孕んで居る事に気が付いたが、姪っ子である春夜がやりたいと言って聞かないのだから、如何にも為らない。



 失敗とは、失敗して初めて失敗したと気が付く物でも在るのだ。



 九江は、まだまだ若く未熟な姪っ子を見守る事しか出来ないのであった。





「ひひっ!!和紗姉様っ!やっぱり武田の騎馬武者軍団を相手に、真正面から戦うなんて無謀ですうぅっ!!」



 織田・和紗の同盟者にして、妹分でもある徳川・千代・家康は、緒戦から武田軍にビビッて居た。



 だって、三度ヶ原を決戦場にすると和紗に言われた時は、反対すらして居たからである。



 武田軍の騎馬軍団は、上杉家の騎馬軍団と並んで勇猛果敢な騎馬武者である評判の高い者達だったからだ。



 今のアマテラス神皇国地方ないでは、一・二を争うほどの実力を誇って居るが、しかしながら、この時期のアマテラス神皇国の情勢下では、キリヤ公国連合国へと加盟した伊達家では、ライフル銃を主体とした騎馬鉄砲隊が編成され、上杉家でも似たような方針を固めて居り、終いには毛利家でも真似を始めて居ると言う。



 悲しいかなこの時期の武田騎馬軍団は、旧式騎馬軍団と成り果てつつあったのである。



 その武田騎馬軍団が再び日の目を見るには、武田・春夜・信玄が、勇治とキリヤ公国本国に臣従を誓って、キリヤ公国連合国の藩王と成るまで待たねば成らないのであるが、それはもう少し先のお話。



「お前がそんな事で如何するのだっ!!お前の家臣団も武田の猛将共にも引けは取らんのだぞっ!!!」



「でもぉっ!!」と心配そうな顔付きで、一斉にやって来る武田・北条連合軍の軍勢を見て居た千代。





 そんな時である。



 武田・北条連合軍の先鋒軍を任されて居り、武田軍団に措いて、侵略する事を火の如くと謳われし山県・虎三・昌景。  



 武田家の筆頭家老にして、武田四天王の一人であり、又の名を不死身の馬場と称されし勇猛果敢な名将としても知らて居る軍部統括大将・馬場・春香・春信の二人。



 それともう一人、北条・九江・早雲の妹である北条・勝実・正成の子で、北条五色備軍団・北条黄備え軍団を率いる地黄八幡と謳われる猛将として知られて居る北条・紗英・綱成の三名が、一気に決着を付けて見せようと両軍の腕利き騎馬軍団と供に、織田・徳川連合軍の中央突破を試みた。



 武田騎馬軍団と北条黄備え軍団の力を合わせて攻め入れば、如何に防備が固く、織田・徳川連合軍の猛将・勇将たちが揃おうとも、討ち破れる絶対の自信がぁったからであった。



「織田・信長っ!!!覚悟するんだぜっ!!」



「その首を討ち取ってお館様の天下をっ!!」





「やぁやぁやぁやぁ、我こそは北条・紗英・綱成なりっ!!織田・徳川の御大将の首級を頂戴せんっ!!」



「ほう、武田四天王の先駆けの山県と不死身の馬場か?この俺を意図も簡単に喰えるとでも思って居るとは、トンだ間抜けだな?」



「げげっ!?綱成って言ったら、地黄八幡と言われて居る猛将じゃないですかっ!!」



「それと合わせて武田四天王の先駆けの山県と不死身の馬場来るなんてっ!!!」



「とっても面倒な奴らが来たですぅっ!!」



「ほざけっ!!!何時までも奇策ばかりが成功する思うなんだぜっ!!!」



「その通りっ!!!我らが剛力すればっ!!!この様な馬防柵など、只の木組みに過ぎないっ!!!」



「御身城さまも武田のお館様も、そんな物を打ち破る術をお考えだっ!!やれええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」と紗英が叫ぶと、武田騎馬軍団と北条黄備え軍団の者達は、鎖で繋がれた丸太を二人一組で引き吊りながら突撃隊を汲んで、織田・徳川連合軍の陣地へと攻め入る。





「各隊っ!!慌てるなっ!!」



「そうだっ!!これも予測通りですよ~」



 中軍を指揮して居た丹羽・米実と酒井・継美の二人は、前線指揮官の武将達らに、混乱をさせないように叫ぶ。



織田・徳川連合軍が築いた馬防柵は、南北線に五キロ。



東西線に三キロに渡って築かれて居る。



各陣地が五段階の馬防柵と曲輪式防御陣地を築き上げての野戦築城である。



 城攻めも野戦にも成れて居る武田・北条連合軍は、織田・徳川連合軍の先鋒陣地を破壊力すると、居残って居る織田・徳川連合部隊を構わず、そのまま攻め入って行く。



「見たかっ!!!この様な子供騙しっ!!!如何とでも出来るんだぜっ!!」



「二人ともっ!!!後衛は、拙に任せ、敵大将の下へっ!!!」



「承知っ!!」



「了解たぜっ!!姉御っ!!!」



 武田・北条連合軍の先鋒軍部隊の指揮官である山県・虎三隊と北条・紗英隊は、更に和紗の居る陣地へと目指して駆けて行く。



「虎三殿っ!このまま一気に・・・・・・」



「おうさっ!!だけどよ、このまま時間を掛けるのも面倒くさいっ!!!あたし自慢の弓で一気に・・・・・・・」



「為らば、私も・・・・・・」と先駆け武将が得意として居る弓による馬上狙撃を試みる二人。





だがしかし、その態勢に入った姿を見た和紗は、不敵に笑って見せた。





「ふっ、そう言うのはもう流行らないぞっ!地黄八幡っ!!!山県っ!!!」



「「何言うかっ!尾張の大虚けがあああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」」と二人が叫ぶ。





 その時、不死身の馬場と称されし勇猛果敢な名将たる馬場・春香は、突撃して行った二人叫び声を聞いて、ふと振り返って見た瞬間だった。



「はっ!?不味いっ!これも罠だっ!!下がれええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」と叫び声を上げる春香。





 それと同じく遠くに居た北条・紗英の母である北条・勝実も遠目で娘の勇猛果敢な姿を眺め見て居たのだが、敵野戦築城の動きが一瞬にして蠢く事に、ハッとした瞬間に、「紗江ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!!」と叫んだ。





 無情にも、先駆け隊の二人は、和紗が仕掛け張って居た罠のど真ん中に飛び込んでしまったのだった。





「佐々隊っ!!野々村隊っ!!前田隊っ!!明智隊っ!!丹羽隊っ!!滝川隊っ!!鉄砲構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」



「第二陣から第三陣の半列は反転っ!!」



「徳川軍も構えるのですよ~っ!!!」



「榊原隊っ!!渡辺隊っ!!石川隊っ!!水野隊っ!!奥平隊っ!!鳥居隊っ!!大久保隊っ!!成瀬隊っ!!平岩隊っ!!夏目隊っ!!鉄砲構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」





「なっ、なっ何なんだぜっ?!」



「なっ、なっ何っいいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーっ!?!」和紗と千代の首級を討ち取ろうとした、北条家の猛将北条・紗英は、突如として現れた織田軍鉄砲隊を前にして、ビックリ仰天してまう。



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!



ズダダダダダッダーーーーーーンンッ!!





「ぐわあああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」



「殿おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」



 北条・紗英は、二〇発近くの銃弾を鎧に受け、二発が脳震盪を起こすほどの衝撃を兜に受けてしまった。



それにより、乗って居た馬から落馬してしまう。



「紗英っ!!」と、それを見て居た虎三は、叫ぶが、自分自身も銃弾を受けてしまった筈と気が付くと、その周りを見渡すと赤備えの騎馬武者たちがパタパタと倒れて行く光景を目の当たりにする。





「はっ!?あたしも銃弾を受けて居た筈?如何して無事なんだぜっ!!」



「・・・・・・・・・・お前たちっ!!」



「山県さま・・・・・」



「お下がり下さい・・・・・」



 山県・虎三は、直参馬周り衆の五名の犠牲者を出す事で、何とか助かったが、北条・紗英は、和紗が伏兵を配置して置いた部隊に命じて、北条家では地黄八幡と言われて謡われて居る猛将北条・紗英・綱成を容赦なくハチの巣にしてしまう。



 北条・紗英は、母である勝実からは、これからの先の世の戦場では、鉄砲と言う物騒な武器が流行るだろうからと、ある程度厚くして有った武者鎧が送られ居た。



 そのお陰で、命に関わる大事には至らなかったが、旗下の旗本衆に運ばれて最前線から退いて行く。



「見たか、千代っ!!これからは鉄砲や大砲を多く持った国が台頭するのだっ!!!」



「このユーラシアン大陸周辺国に措いて、最早っ!猪武者同士たちが、一騎打ちをする事は無く成るだろうっ!!!」



「うわあああぁぁぁっっ!!!流石ですっ!!!和紗姉様っ!!!」



「だが、数が多いな。柴田・仙石・森・池田・金森の各隊は、鉄砲隊の防御陣の周囲を警戒っ!!決して突破されるなっ!!」



「徳川衆もやるですよっ!!」



「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!」」」」」



「和紗様・・・・・」



「拙者たちの出番は・・・・・・」



 真っ向勝負をするからと言われた織田・徳川連合軍の猛将達は、大量の鉄砲を使っての決戦が行われた事に、又もや騙されたと嘆いて居たが、勝って居る事には変わりは無く。



 後半からは防御陣地での防戦での戦いに参加が出来たが、不完全燃焼と言った感じの気分に苛まれてて居た。



 



 その後も三度ヶ原の戦いでの両者の戦いは、苛烈を極めて居た。



 だが、やがて午後に成ると、やや兵力の多い武田・北条軍側が織田・徳川連合軍を徐々に押し返し始めた。



「和紗様っ!!火薬・銃弾の在庫がっ!!」と徳川四天王が一人、酒井・継美・忠次が補給物資の類で、一番重要な玉薬の底が尽きそうだと報告して来た。



「千代様っ!織田軍・徳川軍の第四馬防策陣地が突破され居りますっ!」



「柴田殿、仙石殿、森殿等が懸命に戦って居るで御座るが、一時撤退して行った筈の武田軍の馬場軍、山県軍らは、内藤隊と高坂隊。それに北条家の北条・正成隊と笠原隊らが援軍に駆け付け、その勢いが凄まじいで御座るよっ!!」



「此処は我ら徳川四天王に任せ、お二人は浜松城に退いて下さいっ!!」



 徳川四天王の榊原・康江・康政。本多・八重・忠勝。井伊・直虎・直政らも武田軍の猛攻を防ごうと最前線へと出て行く。 





 その軍勢が押され始めた原因は、織田・徳川連合軍内での弾薬の残りに限りが、徐々に底が尽き始めて居たからだ。



「くっ、火力を主力とするのには、もう少し弾薬や火器類を多く用意せんとな。」



「くううっ、此処は無念ですが、退き時の様です。浜松城に、そろそろ引き上げましょう。」



「信長様。此処は、この明智・十華にお任せをっ!!」



「明智殿。松下隊も出ますっ!!」



「助かります。」



「和紗殿っ!!早くっ!!追い詰められてから逃げるのは大変と成ります。」と三好・慶香・長慶も敗戦経験から和紗に撤退を早くと促す。 



「真澄。悪いですが、少々付き合って貰いますよ。」



「はぁ~、畏まりました。慶香様。」と松永・真澄も、嫌な局面で旧主に目を付けられと溜息混じりに諦めた様にして、この撤退戦に付き従った。





 その他にも朝倉・浅井・今川と言った織田家に敗れて生き残ってしまった残党軍達等も、撤退戦を支援に動いて行く。



 

 二人は旗下に在る様々な武将達らに殿を命じて、浜松城へと撤退を開始するのであった。



 その時だった、織田・徳川連合軍が撤退しようとした矢先の事である。



 武田・北条連合軍の本陣で異変が起きたのである。



「ううっ、お腹があぁぁ・・・・」



「あらら、また腹痛なの?」



「すみません。九江の叔母上。戦前に食した食べ物の中で、何かに中ったらしい様です。」





「はぁ~、これで貴女のアマテラス神皇国の天下統一への夢が遠のくわねぇ・・・・・・」





 武田・春夜・信玄は腹痛を良く起こす事で知られて居た。



 まぁ、偶に神経胃痛と軽めの食あたりを起こす事が良くあったりして居た。



 今日は前日のお昼に食べて居た貝類・・・・・特に大好物のアワビが、胃に合わなかったらしい。



 アマテラス神皇国・甲斐国の人達は、日本の山梨県民と似たような気質らしく。



 海無し国の割には、海の物が大好きで、わざわざちょっと高い金を払ってでも食べたがる魚貝類好き。



 執政に関わる権力者達は特にで、時より食べた者は、食中りを起こす事が多々あるらしいのだ。



「夏夜、全軍の指揮を・・・・・後ちょっとで勝てるのにぃ・・・勝って近江・瀬田の端に武田菱の旗を立て・・・・・・ううっ、無念。」ってな具合に、ガクっと倒れる武田・春夜。



「ねねっ!!姉さんっ!?誰か医者をっ!!」



「はぁ、ホンと全く面倒な姪だわ。」





 武田家から夫を婿に向かえて居る北条九江は、肝心な時に腹痛を起こす姪を呆れながらも、良く面倒を見て居た。



 才覚は有ると思って居るが、武田家と言う所は、胃痛が起きたくなるほどに忙しく、稀に食べるご馳走が貝類を調理した食べ物である事の多いので、武田家内では腹痛に成るものが多いと言う。





 両軍の決着は後日に持ち越され、数か月後に行われる長鹿野ヶ原の戦いにまで延長と相成ったのであった。



その時には織田家・徳川家らは、キリヤ公国連合国へと加盟を果たして居り、キリヤ公国連合国と大戦と成ってしまう事に由り、この三度ヶ原の戦いでの畿内地方へと攻め入られる最後にして、最大の好機を失ってしまうのは、実に勿体無い事をしてしまった武田・春夜・信玄。



 武田家は、この戦いの腹痛による撤退は、アマテラス神皇国地方の天下統一を夢のままを終わらせてしまう事にも成ったのであったが、彼女が真に名を馳せる事に成るのは、キリヤ公国連合国へと臣従し、アルビオン王位継承・独立干渉戦争へと参戦をする事に成ってからに成るのだが、それはもう少し先のお話。





 三度ヶ原の戦いの戦いの結果は、織田・徳川連合軍と武田・北条連合軍の痛み分けと言う残念な物と成ってしまった事に由り、幕を閉じたのであった。