「大丈夫?」

「ううん、大丈夫。」

 少し、この日の太陽は足取りがふらついていた。

 少し、ゆっくりな気もする。

 それに、どこか呆けることも多い。

 少し、気をつけなければならない。


 +*+*+*+


「夕日、綺麗だね。」

「あぁ、そうだな。」

 確かに、この夕日は綺麗だ。少し、眩しすぎる気もするが、真っ赤に染まっていた。

「あ、そろそろ時間だ。行くよ、太陽。」

 レストランを予約してある。
 遅刻するわけにも行かない。

「太陽?」

 反応がない。

「まさか、寝たんじゃないよね?」

 すると、少し腰を上げて、



 膝から、崩れ落ちた。



 太陽!



 声にならない、叫びをあげた。

  

 +*+*+*+



 00県00市 00区00町00-00
 笹 光留様。
 

 22歳になった、光留へ。


 光留が、夢を変えてなければ、留年していなければ、今。光留は、なりたい夢の第一歩に立ったと思います。

 私には、その姿は見れなかったけど。きっと、あなたなら、なれたはずです。

 もしかしたら、結婚とかしたのかな。

 見たかったな。光留の晴れ衣装。


 それじゃあ、さようなら。

 もう、忘れてもいいんだよ。

 私なんて。

 00県00市 00区00町00-00
 日野 太陽より