目を開けると、私は夜の公園のブランコに座っていた。
 あの星の景色は消えて、いつもの夜空が広がっている。

「あれは、夢だったの……?」

 周りを見回す。でも、あの星の美しい景色は、記憶にうっすらとだけど残っている。

 ——-本当に、全部夢だったの?

 そう思ったとき、ポケットの中にさらさらとしたものが触れた。

 取り出すと、それはポケットに入れた、あのときの星の砂だった。


「幸輝……やっぱり、夢じゃなかったんだね」

 夜空を見上げる。
 どの星に、私はいたんだろう。
 どの星に、幸輝はいるんだろう。

「私、頑張って生きるよ、幸輝」

 そう呟いた瞬間、夜空の中で、一つの星が優しく瞬いた。