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 夏休みが始まり家でだらだらと時間を過ごす日々が始まった。帰宅部の私にやることは無い。ゴロゴロとベッドに寝転びながら考えるのは空太のこと。

「もうすぐ夏祭り……」

 そう独りごちて、ふふふっと声を出して笑ってしまう。

 気持ちがフワフワして、くすぐったくて、恥ずかしくて、何とも言えない気持ち。

「空太……」

 空太の名前を呼んでは、ベッドで「キャーッ」と悲鳴を上げながら転がるの繰り返し。こんな日が来るなんて、茜色の空を見つめながら泣いていたときは、思ってもいなかった。あの日の私に伝えて上げたい。もう少し我慢すれば幸せになれるよって。

 ふふふっ……私はだらしなく顔を崩しながら、もうすぐやって来る夏祭りを楽しみにしていた。