みんなで屋敷の中を歩いているけど、屋敷の中は想像以上に広いです。
 気をつけないと、屋敷の中で迷子になってしまいそうです。

 ガチャ。

「こちらが、主にイベントなどで使用する大部屋になります。屋敷のお披露目を兼ねた婚約披露パーティーも、こちらで行われます」
「「「「「「ひろーい!」」」」」」

 思わず叫んでしまったちびっ子たちの声が響くほど、とても大きな大部屋ですね。
 流石に王城の大部屋の方が広いけど、それでもオラクル公爵家の大部屋に匹敵する程です。
 既にカーテンなどの必要なものは設置されていて、いつでもパーティーを開ける状態だそうです。

 ガチャ。

「こちらは食堂になっております。テーブルなどは、全て新しいものに交換しております」

 続いてリルムさんに案内された場所は、とても広い食堂でした。
 王弟が使っていたものとはいえ、流石に長期間よどみに侵されていたテーブルを使いたいとは思わないよ。
 食器なども全て新しいものになったらしいけど、一体どのくらいお金がかかったのだろうか。
 食事なども直ぐに提供可能で、一流の料理人が働いてくれているそうです。

 ガチャ。

「こちらが、屋敷の執務室となります。一般的な屋敷の執務室よりも、少し広めになっています」
「「「「「「おおー!」」」」」」

 次に案内されたのは、とても広い執務室でした。
 確かに、オラクル公爵家並みに大きい執務室ですね。
 執務机なども新しいものに変わっていて、こちらも直ぐに仕事ができる状態です。
 とはいえ、暫くは色々な人に教えて貰いながら執務を行うのでしょうね。

 ガチャ。

「こちらが主寝室になります。当面は、ナオ様一人で寝て頂く予定です」
「「「「「「だーいぶ!」」」」」」

 ぼすっ。

 主寝室はこれまたとんでもなく広くて、侍従の控室や応接室まで完備していました。
 とっても大きなベッドが置かれていて、ちびっ子たちが一目散にダイブしていました。
 ドラちゃんたちもベッドに飛び込んだけど、ふかふかでとっても寝心地が良さそうです。
 あっ、そうだ。
 リルムさんにあることを聞いてみよう。

「リルムさん、持ってきていい荷物をアイテムボックスに収納しています。ここに出しても良いですか?」
「応接室に出して頂けると、とても助かります。後ほど、別の使用人に片付けさせましょう」

 引っ越しをする際の荷物の整理を、少しでも少なくした方がいいもんね。
 すると、シャーロットさんがニコリとしながらエミリーさんにあることを尋ねました。

「そういえば、エミリーの部屋の片付けは終わったかしら? 随分前に指示したはずよね」
「あの、その、えーっと……」

 この様子だと、エミリーさんはまだ自分の部屋の片付けが終わっていないみたいですね。
 屋敷見学が終わったら、間違いなく部屋の片付けに追われるはずです。
 そして、僕の家族が泊まる部屋も用意されました。
 特に、カエラとキースは頻繁に屋敷に泊まる可能性があります。
 でも、寝る時は、まだ僕と一緒の部屋の可能性もありそうですね。
 こんな感じで、新しい屋敷と使用人の紹介は無事に終了しました。
 引っ越しをするのはもう少し先だけど、何だかとってもワクワクしちゃいました。