そして、レガリアさんが、セードルフちゃんにあることを話しました。

「セードルフちゃん、みんなを連れてルルちゃんを見せてあげたらどうかしら?」
「うん、ルルちゃん見せてあげるよ!」

 ということで、セードルフちゃんはサマンサお姉ちゃんも含めて、みんなを引き連れてルルちゃんのいる部屋に向かいました。
 何だか、あっという間の出来事ですね。
 僕はお父さんたちと一緒に話があるので、応接室に残ります。
 話は、僕と家族のこれからについてです。

「こうして、ナオが無事に暮らせていて、親としてとても安心しております。ただ、まだ村でやることもたくさんありますし、代官やあの三家のものがいなくなった事へのフォローを行わないとなりません」
「ですので、私たちは村に残る予定です。サマンサももう少ししたら婿取りを考えないといけませんし、双子はまだ幼いので。申し訳ありませんが、このままナオのことを宜しくお願いします」

 お父さんとお母さんの結論は、村に残ることだった。
 お家もあるし、僕もこうなるのではないかなって思いました。
 もう一つの理由を、お父さんがちょっと苦笑しながら話しました。

「その、豪華な屋敷は私たちには合わなくて。家族でワイワイとしている方が、私たちの性に合っています」
「ただ、時折ナオの様子を見に来たいと思っております。幸いにして、馬車で一日で着く距離ですので」

 豪華な屋敷を見て、特にお父さんはビックリしていたもんね。
 それに、ドラちゃんに乗ればあっという間に実家に着く。
 僕からも、家族に会いに行けます。
 そして、お父さんが僕にあることを話しました。

「ナオ、もう仕送りはしなくてもいいぞ。お父さんもお母さんも、それにサマンサも魔法使いとして働いているからな。それにあの代官と三家がいなければ、みかじめ料を取られることももうないぞ」
「えっ、でもたくさんのお金をどうしようかなと思っていて……」
「それは、自分のために使いなさい。きっと役に立つ時がやってくる」

 なんだか、いつも家ではぐーたらしているだけのお父さんがとってもカッコよく見えます。
 他の人もほほーって感じでお父さんを見ていたけど、お母さんだけは口に手を当ててクスクスとしていました。
 そんなお父さんとお母さんに、レガリアさんがある提案をしました。

「それでしたら、今夜だけでも屋敷にお泊り下さいませ。おもてなしさせて頂きますわ」
「申し訳ございません、お言葉に甘えさせて頂きます」

 あっ、お父さんではなくお母さんがレガリアさんの提案を受け入れちゃった。
 もしかしたら、お父さんは豪華な屋敷だと肩身が狭いから断ろうとしたのかもしれないですね。
 ということで、さっそく家族が泊まる客室を部屋を用意することになりました。
 ヘンリーさんたちも含めた王族の方々もそろそろ帰るそうなので、ルルちゃんの部屋に行った面々を呼びに行ってもらいました。

「「「またねー」」」
「ねー」

 ルルちゃんを一緒に愛でていた面々はとっても仲良くなったみたいで、お互いに手を振っていました。
 セードルフちゃん、アーサーちゃん、エドガーちゃんも、悪い人じゃなければ直ぐに仲良くなるもんね。

「あとね、今日はこの屋敷に泊まることになったのよ」
「「やったー!」」

 そしてお母さんが皆に泊まることを告げると、カエラとキースはまたまた大盛り上がりです。
 そのままの流れで、僕の泊まっている部屋に案内する事になりました。

「わあ、とっても大きな部屋ね。凄いわ」
「「ダイブ!」」
「キュー」

 サマンサお姉ちゃんを筆頭に、家族みんな部屋の大きさにビックリしていました。
 カエラとキースは、ドラちゃんと一緒に大きなベッドにダイブしていました。
 そんな子どもたちの様子を見たお父さんが、ボソッとこの部屋でいいって言っていました。