そうやってどのくら過ごしていただろう。

気づくと空が群青色に染まり、夜への時間が始まろうとしていた。

下校時間が近づいているため僕は帰ることにし、フェンスを乗り越えまた屋上へと降り立つ。

スマホを見ると、母さんから連絡が入っていた。

だけど、どうせ帰りが遅いことによる催促だろう。
そう思い、内容を見ずに鞄にしまった。

グラウンドへ降りると先ほどまで見下ろしていた光景が目の前に迫る。

その中に混じるとやっぱり僕も小人で弱い人なんだということを認めざるをえなかった。





通勤ラッシュの波に揉まれながら、電車に乗る。

家の帰り道を歩いていると、ふと、通学路のそばにある公園から大きな笑い声が聞こえてきた。

そこに目を向けると、数人の不良がいた。

制服を着てるのにも拘わらず、足元にはお酒と思わしきものがたくさん置かれていた。
そのうえ不良たちのうちの一人は煙草を吸っていた。

それだけなら、まだよかった。見て見ぬふりをして通り過ぎることもできた。けれど、

その中に制服の学ランの下に派手な赤色のシャツをきて、たくさんのピアスをつけている中原雄大《なかはらゆうだい》がいることに気が付いてしまったんだ――。