「おはよ」「おはよう、あれ2人は?」「買い物」「じゃぁ素で行きますかぁ」凛が体を伸ばしてキッチンに向かう「まさか告られるとはねぇ」「振られると思ってても告る、やらずに後悔するならやって後悔したい」「本当、そう言うところがフラれる原因なんだと思うよ、私は理由あるけど」「彼氏でもいる?」「残念、秘密にしておくね」「まぁあれこれ聞く気は無いからなぁ」そう言いながらゲームを起動する「大画面でゲーム…」「嫌だった?」「いや、ただ人前でやるゲームでは無いでしょ」「まぁFPS女子の前でやるのもアレだよなぁ」「まぁ気にしないけど」そう言いながら椅子に座る「やっていいってことだな?」「嫌ならハッキリ言うタイプです」「はいはい」会話から逃げるようにゲームを開始する、あっちも何かをしているのだろう、会話をすると何かと意識してしまうし、会話をしないと気まずいし…地獄かここは?「綾人、この政治家の発言見た?」おそらくあちらも気まずかったのだろう、話しかけてくる「あぁ、国家予算全額ラスベガスに突っ込めば3倍になってアメリカよりはるかに豊かになるとかぶっ飛んだやつ?」「そうそう、バカだよね、競馬場に突っ込んだ方が倍率低いのに」「そう言う問題じゃ無いだろ」「え?違うの?」「そもそもギャンブル関係に国家予算突っ込むなって話だろ」「確かに」アホかこいつは「お前が変なこと言うから死んだじゃん」変なところから出てきた敵に撃ち殺される「私関係ない」「関係なくない」「知らない、てか2人いつ帰ってくるの?」「さぁ、ショッピングセンター行ったし2.3時くらいまで帰ってこないだろ」「昼ごはんどうする?」「家燃えるか凛が作るか外食の3択問題」「まぁ家燃えるのは嫌だから最初は却下として、作るのめんどくさいなぁ」「そんなこと言うなよ」「食べたい?好きな人の手料理」「食べたい」「キモ」「じゃぁいらない」「好きな人の手料理?感覚大事?」「なんで回答すればいいんだよ」「冗談だって、食べたいのね」「食べたい」「じゃ作るね〜めんどくさいし買ってこよ」「え?」「粉末スープにお湯ぶち込んで食パン焼いて食べればいいでしょ」「足りるの?」「私は足りる」「少食が」「そんなことない、夜たくさん食べる」「そっか、じゃぁ弁当で」「は?買いに行くよ?」「近所に数人同級生がいるけど、なんなら1人玉砕目撃者だし」「一緒に歩いてたら色々言われるね」「てことでよろしく」「だからフラれるんだよ?自覚ある?」「ある」「じゃ行け」「めんど…」「だからいつまで経っても好きな人に振られるんだよ」凛が腕を組んで説教を始める「そもそも、女子に買い物行かせる時点でダメ、僕が行くよくらい言えないと」「ごめ…」「行動で示せ、行ってこい」「ハイイッテキマス」「菓子パンとオレンジジュースで」「ハイ」財布を持ってコンビニに向かう

「ほい菓子パンとオレンジジュース」「はいありがとう」「お金…」「あーはいはいいくら?」「250円」「はいはーい」350円渡される「250円だぞ?」「人件費」そう言いながら袋を開封する「あと半日で学校だ…嫌だ」「玉砕の件?」「その通り、フッタのお前だけどな」「公開告白するやつと付き合いたくない」「ごめんって」「まぁどんまい」「明日から尋問地獄だなぁ」「気配消す…は無理か」成績の普段の様子で、騒がしい、もう少し落ち着いて行動しましょうと書かれる人だ無理に決まってる「そうなんだよなぁ、てかお前も絶対じんもんされるぞ?」「なんでGW終わった後に告るのマジバカじゃん」「ごめんって、噂は噂でかき消すんだよ」「どうやって?」「そりゃぁ…色々暴れまくって噂立てまくる」「脳筋じゃん」「1番楽な解決法」「だからフラれるんだよ」また説教が始まる気配を感じたので弁当に集中する

夕方お母さんが帰ってくる「ただいま綾人、荷物届いてたよ」お母さんから荷物を受け取る「やっと来たぁ」「何買ったの?」「聞いて驚けホロサイト」「…次は何につけるの?」「SCAR…」「ドットサイトつけたんじゃなかった?」「壊しました」「なるほど、お小遣いの範囲ならいいけど、大事にしてよ」「わかってるって」「おかえりなさい、あれお父さんは?」「出張だから会社に前乗りした」「荷物は?」「取りに来た」「すみませんうちのお父さんが」「じゃぁ荷物用意してくるから、2人とも仲良くね」「わかってますよ〜」ドアがバタンと閉まって足音が遠ざかる「で?何買ったの?」声のトーンがワントーン下がるのが地味に怖い「趣味に使う道具」「ふーん、じゃぁホロサイトって何?」「聞いてたんだな」「聞いてました」「俺の趣味はサバゲー、エアガンの上に乗っけるスコープみたいなやつ」「そんなのあるんだ…見して」「いいけど?見たいの?」「純粋に興味があるだけ」とりあえず梱包を剥がして箱から出して見せる「…なにこれ」「ホロサイト」「スコープってこう…筒で長くて…」「ホロサイトは四角形の短いタイプ、スコープもあるぞ」「そんなに種類あるの?!」「ドット、ホロ、サーマル、暗視、狙撃双眼」「……オタク…」「その通り、俺はオタクだ」「まぁ人の趣味バカにする気はないけど、面白いね、いろんな種類あって」こういう人のことを笑わない人間だから惚れたのだ「行ってきまーす」「いてらー」「はぁ…好きな人と2人きりなのに何も起こさないのなんで?」凛が呟く「俺の理性がしっかり仕事してるのと、そもそも手を出そうとは思わない」「いいことだとだけどさぁ…」「何?手を出せと?」「いや、何もない事が1番なんだけど…いつくるか怖いじゃん」「好きな人に自分から嫌われに行く人間ではない」「そっか」

「明日から学校だねぇ…」「学校ではバレないようにして」「わかってるよ」「なんでいいじゃない」「春翔(はる)さん、中学生は変なことと結びつけて噂が立つからあんまり大っぴらに言わない方がいいよ」「確かにそうね」「まぁ友達になら言うけど」「いいんじゃないそれは?」「本当に信用できる人に言ってね」「わかってるって」