「しょうがないので協力してあげます」
プリンのおかげか、なんとかレイの協力を得られることになった。
どうなることかと思ったけどひとまずレイを仲間にしたことで動き出すことが出来るようになった。
「へぇ……意外と遠かったですね」
「もっとコンビニみたいにありゃ楽何だけどな。ともあれ何をするにしてもやらなきゃいけないからな」
早速ゲートダンジョン、と行きたいところであるがその前にやらなきゃいけないことがある。
「初めてで緊張します……覚醒者協会」
「そう緊張することもないさ。市役所みたいなもんだから」
マサキとレイが訪れたのは覚醒者協会という場所であった。
新しめの大きな建物には多くの人が出入りしている。
覚醒者に関するあらゆることを取り仕切っているのが覚醒者協会である。
「覚醒者登録したいんですが」
覚醒者協会に入って総合案内に用件を告げる。
「覚醒者登録でしたら2番窓口です」
「ありがとうございます」
回帰前にも登録はしたのだ、もちろん覚醒者登録をしている窓口も知っている。
けれど迷うこともなく窓口に向かってはレイに変に思われるかもしれないので初めてっぽく振る舞う。
「覚醒者登録ですね。今空いているのですぐに受けられますよ」
「空いてるんですね、よかったです」
「運が良かったな」
実はそこらへんもマサキは分かっている。
運良く空いているのではなく空いている時間帯を狙って覚醒者協会に来ていたのだ。
マサキとレイはそれぞれ別の部屋に通される。
「それでは覚醒者能力検査を始めさせていただきます」
狭い部屋の中の真ん中にサンドバッグが吊り下げられている。
「全力で殴ってください」
どうせなら回帰前よりいい結果にしたい。
マサキは気合を入れて拳を握りしめて腰を落とす。
「フッ!」
全力でサンドバッグを殴りつけるとそれなりに大きくサンドバッグが揺れる。
「もう一度お願いします」
サンドバッグを三回殴って次の部屋に移る。
今度は大きな機械があって正面に手を乗せるところがある。
「手を乗せてください」
マサキは少し緊張した面持ちで手を乗せる。
この機械は魔力測定装置である。
サンドバッグはどうにか技術を使えても魔力に関してはごまかしがきかない。
キュインと音が鳴って手のひらにピリリとした痺れを感じる。
「はい、終わりです」
回帰前と一切変わりがないまま機械は大きな変化もなく沈黙して測定は終わった。
その後は広い体育館みたいなところを走らされたり全身に機械をつけられてまた何かの測定をされたりした。
「では次が最後の測定になります」
最後のテストはやや広い真っ白な部屋に通された。
「最後のテストは戦闘テストとなります。ですが相手はホログラムで作られた敵ですので安心してください。ダメージが一定量を超えるとテストが終了する仕組みとなっています。ダメージを受けると体が痺れたような感じがありますが問題はありませんので安心してください」
スピーカーを通してテストの説明がされる。
これまでのテストは一応全力で受けたけれどこれはどうしようかとマサキは迷う。
「それではテストを開始します」
耳鳴りのような音がして目の前にモンスターが現れる。
ゴブリンと呼ばれる低級モンスターだ。
マサキは剣の調子を確かめるように数回振ってゴブリンを見る。
回帰前、初めて覚醒者能力検査を受けた時にはゴブリンですら怖かったものだ。
あの時の腰の引けた戦い方は思い出すだけでも恥ずかしい。
攻めてこないマサキを見てゴブリンの方から襲いかかってくる。
粗末な棍棒を振り回して攻撃してくるけれどマサキは冷静にそれをかわす。
初めての時は泣きそうな顔をして必死に防いだが、よく見れば攻撃はノロく当たりに行かない限りは当たるはずもない。
ホログラムのためか予想外の特別な動きもない。
引き伸ばしたところで体力を消耗するだけなのでマサキはサッとゴブリンの首を切り落とした。
ごろごろと首が転がってホログラムが消える。
そして今度は2体のゴブリンが現れる。
これが困るのだ。
モンスターが増えていくこのテストは経験があれば意外と戦えてしまう。
マサキの能力からしてみればあまりモンスターを倒せてしまうのはおかしいことになる。
初心者でもあるし変に倒せすぎてしまうと変な疑いを持たれてしまう。
けれどどこで倒されて、どう倒されればいいのか加減がわからない。
やるなら最初からやられればよかったのだけど、流石に一度生き抜いてきた経験があるのでゴブリン一匹にやられるのはマサキのプライドは許せなかった。
「あー……」
考え事してちゃダメだなと反省した。
気づけばゴブリンの数は八匹になっていた。
「ここらが潮時かな」
やりすぎたかなと思いつつマサキはあえてゴブリンの真ん中に突っ込む。
そしてあえてゴブリンの攻撃を防ぎ、背中をガラ空きにする。
「くっ……」
攻撃を受けると背中がビリリと痛む。
正確にはそんなに痛くもないのだけど一瞬電気が流れたような感覚が痛みにも似ていて痛いと思わせるのだ。
怯んだように見せたマサキにゴブリンたちが一気に襲いかかる。
「テストを終了します」
何ヶ所かビリビリと痺れが走って急にゴブリンの動きが止まる。
ダメージが一定の範囲を超えてテストが終了したのだ。
ゴブリンぐらいなら十倍いたって勝てる気はするけれど、ここで粘ったところで悪目立ちするだけで結果に大きな変わりはない。
マサキのテストは終わったがレイのテストは終わっていなかった。
検査の結果が出るまでは時間があるのでその間に写真を撮ったり必要な書類に記入をする。
プリンのおかげか、なんとかレイの協力を得られることになった。
どうなることかと思ったけどひとまずレイを仲間にしたことで動き出すことが出来るようになった。
「へぇ……意外と遠かったですね」
「もっとコンビニみたいにありゃ楽何だけどな。ともあれ何をするにしてもやらなきゃいけないからな」
早速ゲートダンジョン、と行きたいところであるがその前にやらなきゃいけないことがある。
「初めてで緊張します……覚醒者協会」
「そう緊張することもないさ。市役所みたいなもんだから」
マサキとレイが訪れたのは覚醒者協会という場所であった。
新しめの大きな建物には多くの人が出入りしている。
覚醒者に関するあらゆることを取り仕切っているのが覚醒者協会である。
「覚醒者登録したいんですが」
覚醒者協会に入って総合案内に用件を告げる。
「覚醒者登録でしたら2番窓口です」
「ありがとうございます」
回帰前にも登録はしたのだ、もちろん覚醒者登録をしている窓口も知っている。
けれど迷うこともなく窓口に向かってはレイに変に思われるかもしれないので初めてっぽく振る舞う。
「覚醒者登録ですね。今空いているのですぐに受けられますよ」
「空いてるんですね、よかったです」
「運が良かったな」
実はそこらへんもマサキは分かっている。
運良く空いているのではなく空いている時間帯を狙って覚醒者協会に来ていたのだ。
マサキとレイはそれぞれ別の部屋に通される。
「それでは覚醒者能力検査を始めさせていただきます」
狭い部屋の中の真ん中にサンドバッグが吊り下げられている。
「全力で殴ってください」
どうせなら回帰前よりいい結果にしたい。
マサキは気合を入れて拳を握りしめて腰を落とす。
「フッ!」
全力でサンドバッグを殴りつけるとそれなりに大きくサンドバッグが揺れる。
「もう一度お願いします」
サンドバッグを三回殴って次の部屋に移る。
今度は大きな機械があって正面に手を乗せるところがある。
「手を乗せてください」
マサキは少し緊張した面持ちで手を乗せる。
この機械は魔力測定装置である。
サンドバッグはどうにか技術を使えても魔力に関してはごまかしがきかない。
キュインと音が鳴って手のひらにピリリとした痺れを感じる。
「はい、終わりです」
回帰前と一切変わりがないまま機械は大きな変化もなく沈黙して測定は終わった。
その後は広い体育館みたいなところを走らされたり全身に機械をつけられてまた何かの測定をされたりした。
「では次が最後の測定になります」
最後のテストはやや広い真っ白な部屋に通された。
「最後のテストは戦闘テストとなります。ですが相手はホログラムで作られた敵ですので安心してください。ダメージが一定量を超えるとテストが終了する仕組みとなっています。ダメージを受けると体が痺れたような感じがありますが問題はありませんので安心してください」
スピーカーを通してテストの説明がされる。
これまでのテストは一応全力で受けたけれどこれはどうしようかとマサキは迷う。
「それではテストを開始します」
耳鳴りのような音がして目の前にモンスターが現れる。
ゴブリンと呼ばれる低級モンスターだ。
マサキは剣の調子を確かめるように数回振ってゴブリンを見る。
回帰前、初めて覚醒者能力検査を受けた時にはゴブリンですら怖かったものだ。
あの時の腰の引けた戦い方は思い出すだけでも恥ずかしい。
攻めてこないマサキを見てゴブリンの方から襲いかかってくる。
粗末な棍棒を振り回して攻撃してくるけれどマサキは冷静にそれをかわす。
初めての時は泣きそうな顔をして必死に防いだが、よく見れば攻撃はノロく当たりに行かない限りは当たるはずもない。
ホログラムのためか予想外の特別な動きもない。
引き伸ばしたところで体力を消耗するだけなのでマサキはサッとゴブリンの首を切り落とした。
ごろごろと首が転がってホログラムが消える。
そして今度は2体のゴブリンが現れる。
これが困るのだ。
モンスターが増えていくこのテストは経験があれば意外と戦えてしまう。
マサキの能力からしてみればあまりモンスターを倒せてしまうのはおかしいことになる。
初心者でもあるし変に倒せすぎてしまうと変な疑いを持たれてしまう。
けれどどこで倒されて、どう倒されればいいのか加減がわからない。
やるなら最初からやられればよかったのだけど、流石に一度生き抜いてきた経験があるのでゴブリン一匹にやられるのはマサキのプライドは許せなかった。
「あー……」
考え事してちゃダメだなと反省した。
気づけばゴブリンの数は八匹になっていた。
「ここらが潮時かな」
やりすぎたかなと思いつつマサキはあえてゴブリンの真ん中に突っ込む。
そしてあえてゴブリンの攻撃を防ぎ、背中をガラ空きにする。
「くっ……」
攻撃を受けると背中がビリリと痛む。
正確にはそんなに痛くもないのだけど一瞬電気が流れたような感覚が痛みにも似ていて痛いと思わせるのだ。
怯んだように見せたマサキにゴブリンたちが一気に襲いかかる。
「テストを終了します」
何ヶ所かビリビリと痺れが走って急にゴブリンの動きが止まる。
ダメージが一定の範囲を超えてテストが終了したのだ。
ゴブリンぐらいなら十倍いたって勝てる気はするけれど、ここで粘ったところで悪目立ちするだけで結果に大きな変わりはない。
マサキのテストは終わったがレイのテストは終わっていなかった。
検査の結果が出るまでは時間があるのでその間に写真を撮ったり必要な書類に記入をする。


