ここは闘技場の通路。
 ドラバルトとファルスは、通路を走っていた。そう、何かを破壊したような音が微かに聞こえてきたからだ。

 そして現在、ドラバルトとファルスは音がした方へと走り向かっている。

 「あの音は、何かを破壊した音だ」
 「ああ、オレも微かに聞こえた」
 「ファルス、なんか嫌な予感がする……急ぐぞ!」

 そうドラバルトが言うとファルスは頷いた。

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 ここは美鈴とミィレインが居る特別観覧席。
 あれから美鈴とミィレインは、魔王崇拝派の二人と戦いを続けている。と言っても、ほぼ美鈴とミィレインはみているだけだ。

 そして美鈴は現在、メニュー画面をみていた。
 魔王崇拝派の二人は、あらゆる攻撃を美鈴とミィレインにしている。だが、当たらないようだ。

 (あと五分か。効いている時間が分かるようになったから、能力を続けて出せるんだよね)

 そう思い美鈴は、メニュー画面を操作し始める。
 すると、見張りをしていた魔王崇拝派の一人が部屋に入ってきた。

 「二人共、まずいわ……ドラバルト様が誰かとこっちに向かって来てる」

 それを聞き魔王崇拝派の二人は、攻撃をやめる。

 「悔しいですわ。ですが、ここは撤退するしかありません。次は、必ず仕留める……首を洗って待っているといいのかしら」
 「そういう事です。では、早く逃げましょう」

 それを聞き可愛い雰囲気の女性は頷いた。
 その後、魔王崇拝派の二人は扉へと駆けだす。

 「待って! なんでウチのことを狙うの?」

 美鈴はそう問いかける。
 すると、可愛い雰囲気の女性は立ちどまった。そして振り返ると、美鈴へ視線を向ける。

 「なぜ狙われたか? 自分の胸に聞いてみたらどうかしら」
 「分からないから、聞いてるんでしょ!」

 それを聞くも可愛い雰囲気の女性は、仲間と共に部屋から走り出ていった。

 「いったいなんなのよ。あーあ、ツボ割っちゃった。これ……あとで弁償だよね」
 「そうニャるわね。これ……相当な金額がとぶわよ」

 そう言われ美鈴は苦笑する。

 「とりあえず片づけよっか」

 美鈴はそう言い片付け出した。
 それをみたミィレインも片付け始める。

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 美鈴とミィレインが片付けをしていると、息を切らしドラバルトは部屋に入ってきた。

 「ハァハァハァ…………ミスズ……いったい、これは何があったのだ!?」

 そう言いドラバルトは、周囲をみたあと美鈴のことが心配になり視線を向ける。

 「これは……酷いな。ミスズ、何があった?」

 ファルスは部屋に入るなり、余りにも部屋の中が酷かったためそう問いかけた。

 「ドラバルトにファルス、んー……実はね――」

 そう言い美鈴は、ミィレインとさっきまで何があったのかを説明する。

 「……覆面に黒装束、なんで狙われたのだ?」
 「ドラバルト、それが分からないの。逃げる間際に聞いたけど、自分の胸に聞けって……どう考えても心当たりがなくて」
 「なるほど……ドラバルトだけではなく、ミスズも狙われているという事だな」

 ファルスはそう言うと、真剣な表情で考え始めた。

 「えっ! ドラバルトもなの?」
 「ミスズ、ああ……断言はできんが……そうらしい」

 そう言うとドラバルトは、険しい表情で無作為に睨んだ。
 そしてその後も美鈴たちは、片付けながら話をしていたのだった。