ここは特別観覧席。
 あれからずっと美鈴とミィレインは、色々な話をしていた。

 「そういえば、この部屋って結構……高そうな物ばかりあるね。それも壺が多い……割ったら何か出てきたりして……」
 「……あのねぇ。そんニャことしたら、弁償代が大変でしょっ!」
 「ハハハ……そうだね。ついついゲームのことを思い出しちゃって」

 それを聞きミィレインは首を傾げる。

 「ゲームって、なんニャの?」
 「あーそっかぁ。ここは、別の世界で……ゲームって言っても分からないよなぁ」
 「そうね……でもミスズをみていると、そのゲームが面白いんだろうニャあって伝わってくるわ。そのゲームって、すぐできるの?」

 そう問われ美鈴は、首を横に振った。

 「流石に無理かなぁ。可能だとすれば、そういう物を創り出す能力があればだね」
 「そうニャのねぇ。やってみたかったけど、残念だわぁ」

 そうこう話をしていると「ドンッ、ドーン」と、二発の火炎球弾が空高く打ち上げられる。

 「あっ、始まりの合図だ」
 「いよいよね。まあ、ファルスが勝つと思うけど」

 それを聞き美鈴は苦笑した。


 ――場所は、美鈴たちの居る特別観覧席の上に移る――

 ここには魔王崇拝派の可愛い雰囲気の者がいた。

 (この下から話し声が聞こえて来たわ。それに、この観覧席の扉の前には……警備の者が二人いる。そうなると……ここで間違いないかしら)

 そう思い魔道具を使い仲間に連絡をする。

 ✶✲✶✲✶✲

 数分後、美鈴の居る観覧席の上に魔王崇拝派の者が五人揃った。

 「やっと、来ましたね。何かあったのかしら」
 「ああ、ここを見張ってるヤツが二人いた」
 「アタシの来た方角にも、一人いたわ」
 「こっちにも、三人居ましたよ」
 「儂の方は、運よく居なかったな」

 それを聞き可愛い雰囲気の女性は考え始める。

 「……護衛を強化している。マルバルト様がミスズを護っているって、どういう事かしら」
 「まさかマルバルト様は、女神側につく気なのか」
 「んー……それはあり得ないわ。だってドラバルト様は、かつての魔王様の右腕と云われたお方よ」
 「ええ、あり得ませんね。そうでなければ……ミスズは、こっち側ってことも考えられます」
 「だとしたら、こっちに引き入れたらどうだ?」

 そう言われ可愛い雰囲気の女性は首を横に振った。

 「あり得ないですわ。女神に召喚された者が、そう簡単にこっち側にねがえるなんて」
 「そうね……じゃあ、ヤルしかないわ」

 それを聞き可愛い雰囲気の女性は頷く。

 「そうなると……扉の前に居る見張りを、なんとかしなければいけませんね」
 「そうですね。では、そのあと下の部屋に侵入します」

 そう言い可愛い雰囲気の女性は、四人を順にみる。
 それを聞き五人は頷く。
 そしてその後、五人は見張りが居る通路側に向かったのだった。