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「そうだ、これやるよ」
そう言って手に持っていたビニール袋を私に差し出してくる。
受け取った袋の中身は真っ赤なリンゴ飴と人気キャラの形をしたベビーカステラだった。
「えっ、私にですか?」
「ああ。ちょっと気分転換に外に出た時に売ってたから」
要らないなら返せよ、とフイとそっぽを向いたまま手を出してくる。
林チーフが私のために買ってきてくれたんだと思うと自然と頬が緩んだ。
し・か・も!
こんな可愛いキャラのカステラをどんな顔して買ったんだろう?
それがすごく気になったりして。
「ありがとうございます。私、リンゴ飴とベビーカステラ大好きなんです」
夜店で買うものといえばこれでしょ、というくらい私のお気に入りツートップだ。
子供のころからお祭りとかあった時はいつも買っていた。
「ん、そうか」
私の言葉に林チーフは口角を微かに上げて笑う。
こんなやり取りをしている間も夜空に赤や青、緑やオレンジなど色鮮やかな花火が地響きのような音と共に次から次へと打ち上がっていた。
チラリと隣の林チーフに目をやる。
真っ直ぐに夜空を見上げているその横顔に思わず息をのんだ。
やっぱり格好いいな。
つい、見惚れてしまう。
そんな私の視線に気付いたのか、軽く眉根を寄せた。
「なんだ?」
「えっと、花火……綺麗ですね」
じっと見ていたのを誤魔化すように夜空に視線を向けると「そうだな」と言って林チーフも再び夜空を見上げた。


