「りこちー、この子が話してた結華ちゃん!」
カフェに戻り、最初に挨拶したのは面接の時案内してくれた小柄な女性だった。
「は、初めまして!早瀬結華です。これからよろしくお願いします!」
「初めまして!橋本(はしもと)莉子(りこ)です。さかもっとーから話は聞いてるよ!めちゃくちゃ仕事が出来るって。これからよろしくねー」
人当たりのいい笑顔で挨拶され、この人とは仲良くなれそうだなと思った。
「そんな...言うほど仕事出来ないですよ...」
「大丈夫!そう言いながら仕事出来るのが結華ちゃんだから!」
「さかもっとーがそう言うならそうなんだよ!自信もって!」
二人に励まされて、苦笑いするしかなかった。最初からプレッシャーを与えないでほしい。
「じゃあ今日はりこちーに色々教えてもらってね。りこちー、後は頼んだ!」
水樹さんはそう言うとドリンクを作る所に戻って行った。
「はいよー、よろしくね、早瀬さん。」
あだ名で呼ばれている人の後に自分の名字を呼ばれるのは、距離がある感じがして少し心が痛かった。働いている年月が違うのだから仕方のない事だけれど。
「よろしくお願いします!」
でもそれを悟られないように。愛嬌のある笑顔で対応した。
「今日はお客さんの案内と、席の片付けを教えるね。って言っても飲食店経験あるから慣れてるよね。」
橋本さんはそんな私の心情に気付いていないみたいで安心した。たまに気付く人がいるからまだ気は抜けないが。
「一応、二年飲食店やってます!」
「そうだったよね。なら教えるまでもないか。だったらいつもやってるみたいにやってもらって、わからない事あったら聞いて!莉子、ここでケーキ切ってるからさ。」
「わかりました!あ、いらっしゃいませー。」
早速お客さんが来た。今私が働いているバイト先は案内が自動だから、自動ではない案内をするのは初バイト以来である。
「二名様ですね。空いてる二名がけのお席、ご利用ください。」
自分でする案内に懐かしさを感じながらお冷をつぎ、お客さんに持って行った。
「ご来店ありがとうございます。こちらがフードのメニュー、こちらの冊子の方がドリンクとケーキのメニューです。ご注文決まりましたらお声掛けください。ごゆっくりどうぞ。」
これで合っているかはわからないが、それらしき事を言っておけば大抵の事はどうにかなる。
「ねぇ!凄いじゃん!」
レジ付近に戻ると、橋本さんが興奮気味に駆け寄ってきた。
「何がですか?」
「初めて案内するのにあんなスラスラ言葉出てくるなんて、凄い以外のなにものでもないよ!」
「あれで合ってるかはわからないんですけど...」
「大丈夫!お客さんがわかればなんだっていいよ。むしろみんな、もっと適当にやってるし。」
「そうなんですね...」
文言が長いと混んでいる時は時間の無駄だ。もう少し探りながらやってみよう。
「その調子でよろしく!もし注文言われたらメモ帳に書いてきてくれればこっちで打つからさ!」
「わかりました!はーい、お伺いします!」
さっきから誰か操作しているのではないかと思う程タイミングよく呼ばれる。開けているお店だから、こちらの様子を伺いながら呼んでいるというのもあるだろう。流石カフェに来る人は人間性からして違う。
「お待たせしました、お伺いします。」
「えっとー、ブレンドコーヒーと...」
「結華ちゃん、時間だから上がろー」
水樹さんに声を掛けられ、もうそんな時間なのかと驚いた。感覚的にはまだ二時間ぐらいしか経っていない。
「わかった!お先に失礼します、お疲れ様です。」
「お疲れ様ー!またねー」
橋本さんが可愛く手を振ってくれた。私が男だったら彼女にしたい。
「お疲れ様!次のシフトは一週間後だね。今度はレジ教えるね。」
「はい!わかりました。よろしくお願いします。」
店長に頭を下げ、水樹さんと二人で上がった。上がりの時間まで調整してくれたのだろうか。
「結華ちゃんお疲れ様。今日働いてみてどうだった?」
更衣室で着替えていると水樹さんが聞いてきた。
「今まで働いてきた所と比べるとオシャレだなって思った!」
「カフェだからね。他に感想ある?」
「働いてる人みんな優しかった!」
「うーん、求めてる答えが出てこない...」
私が元気よく答えると水樹さんは頭を抱えた。
「どういうの求めてたの?」
「仕事内容の感想を求めてた。」
どうやら私はズレた回答をしてたみたいだ。元気よくズレた回答をしていた自分が恥ずかしい。
「あぁ、仕事内容の方ね...。ごめんね、馬鹿みたいな感想言っちゃって。」
「でも感想聞いて嫌な事が出てこなくて安心したよ。」
「嫌な事なんて一つもなかったよ。今日、数時間しか働いてないけど長く働けそうって思った!」
初出勤でこんなに居心地がいいバイト先は初めてだ。水樹さんがいたからというのも一つの理由だろうが、他の人もわからない事を優しく教えてくれた。
「そっか、それは良かった!正直、お店の雰囲気が合わなくて紹介したけどすぐ辞めたらどうしようって不安だったんだ。」
「そうだったの?大丈夫だよ!絶対辞めないから!」
人に誘われた云々より、もう一個のバイト先で働く気がもう無いから例えここでいじめられたとしても居座り続けてやるつもりだ。
「お!頼もしいぞ!うちが見込んだだけあるねぇ。」
「へへ、ありがとう。」
頼もしい、か。何とかお礼を言ったが、その言葉は私の心を重くする。
私は頼もしいだとか任せるなど、信頼される言葉が好きではない。それは家で色んな面で頼りにされているから。だからといって何も信頼されないのは悔しく思ってしまう。矛盾した考えで自分でも驚いている。
「それじゃあ、また来週会おうね!今日はゆっくり休むんだよー」
「わかった、ありがとう!また来週よろしくねー」
水樹さんとは別の電車だから駅構内で別れた。私も水樹さんと同じ路線で帰れるのだが、そうすると電車賃が高くなってしまう。申請も安い方でしているし何より給料日前にあまりお金を使いたくない。と言ってもどうせ給料は親に渡して終わるのだが。
「あぁ...しんどい...」
ポツリと零した言葉は、ホームがざわついているおかげで誰にも聞かれなかった。
こう言うと、大体の人に世の中にはもっと大変な人が居るとか家があるだけマシとか言われる。そういう人に私は言いたい。なら私と立場を代わってくれと。
世の中には私よりもっと過酷な人生を送ってる人が居るのはわかっている。そういう人達と比べると私は雨風凌げる家もあって、母親の機嫌がいい日は楽しく過ごせるから良い方なのかもしれない。
けれど水樹さんや夏音ちゃんの家族の話を聞くと、やはりうちはどこかおかしいと思ってしまう。普通の家は親の機嫌をとりながら生活しないみたいだし、何より子供の給料がないと暮らせないなんて笑ってしまう。
だから雨風凌げる家があったからといって、一概にいい訳ではない。そうやって言ってくるやつには本気で私と立場を代わってもらおう。
そんなこんな考えていると家に着いた。これから夕ご飯を作って、洗い物して。考えるだけで疲れるが、やれば終わると自分に言い聞かせて家の中に入ったのだった。
「そういえば結華ちゃんって従業員全員に会った?」
納品の片付けをしていると水樹さんが聞いてきた。私はカフェで働いて一ヶ月が経っていた。
「えっとね、あと一人会えば全員に会った事になる。」
「えー、誰だろう。」
「んっとね、榊(さかき)さん。」
「あー、榊さんね。あの人最近あんまりシフト入ってないからね。」
シフトを見ながら水樹さんは苦笑した。ここの従業員は連勤するイメージがない。ほとんどの人が大学生だからだろう。
「榊さんって大学生?」
「ううん、フリーターで確か塾の講師やってた気がする。」
「へぇー、頭が良いんだね。」
人に勉強を教えるのにはまず、自分で理解しないといけない。そもそも自分で理解する事が出来ない私には縁のない仕事だ。
「の割には結構馬鹿な発言するけどね。」
「そうなんだ!会ってみたい...」
「あ、明日居るみたいよ。良かったね。」
「ほんと?楽しみにして来る。」
榊さんってどんな人なんだろう。下の名前が龍だったから多分、男性だろう。塾の講師をやっているぐらいだからきっと知的な人なんだろうなぁ。
漫画で得た知的な人のイメージを想像して榊さんに会うのを楽しみにその日はバイトをした。
「おはようございます。」
「おはよー」
だから次の日、カフェに出勤した時は驚いた。榊さんであろう人物は私が想像していた知的な人のイメージとはかなり離れていたから。一目見ただけでは頭が良いとは到底思えない見た目をしている。塾の講師ではなく、バーテンダーをやっていそうだ。
「えーっと、確か早瀬さんだっけ。僕は榊龍(りゅう)。これからよろしくね。」
榊さんは作業していた手を止めて私の所に来てくれた。
「はい、そうです!早瀬結華です。榊さん、これからよろしくお願いします。」
「そんなかしこまんなくていいよ。タメでいこ、タメで。」
軽く頭を下げると、榊さんは人当たりのいい笑顔でそう言った。タメと言われても榊さんは私より年上だ。まだどんな人かもわからないのにタメでいくことは私には出来ない。
「榊さんがどんな人か知ってからタメでいきますね!それまではこの感じでお願いします。」
「ん、了解。よろしくねー」
手をヒラヒラさせて自分の作業に戻って行った。
この人が後に私の本音を引き出す人になるなんて、この時は微塵も思っていなかった。
カフェに戻り、最初に挨拶したのは面接の時案内してくれた小柄な女性だった。
「は、初めまして!早瀬結華です。これからよろしくお願いします!」
「初めまして!橋本(はしもと)莉子(りこ)です。さかもっとーから話は聞いてるよ!めちゃくちゃ仕事が出来るって。これからよろしくねー」
人当たりのいい笑顔で挨拶され、この人とは仲良くなれそうだなと思った。
「そんな...言うほど仕事出来ないですよ...」
「大丈夫!そう言いながら仕事出来るのが結華ちゃんだから!」
「さかもっとーがそう言うならそうなんだよ!自信もって!」
二人に励まされて、苦笑いするしかなかった。最初からプレッシャーを与えないでほしい。
「じゃあ今日はりこちーに色々教えてもらってね。りこちー、後は頼んだ!」
水樹さんはそう言うとドリンクを作る所に戻って行った。
「はいよー、よろしくね、早瀬さん。」
あだ名で呼ばれている人の後に自分の名字を呼ばれるのは、距離がある感じがして少し心が痛かった。働いている年月が違うのだから仕方のない事だけれど。
「よろしくお願いします!」
でもそれを悟られないように。愛嬌のある笑顔で対応した。
「今日はお客さんの案内と、席の片付けを教えるね。って言っても飲食店経験あるから慣れてるよね。」
橋本さんはそんな私の心情に気付いていないみたいで安心した。たまに気付く人がいるからまだ気は抜けないが。
「一応、二年飲食店やってます!」
「そうだったよね。なら教えるまでもないか。だったらいつもやってるみたいにやってもらって、わからない事あったら聞いて!莉子、ここでケーキ切ってるからさ。」
「わかりました!あ、いらっしゃいませー。」
早速お客さんが来た。今私が働いているバイト先は案内が自動だから、自動ではない案内をするのは初バイト以来である。
「二名様ですね。空いてる二名がけのお席、ご利用ください。」
自分でする案内に懐かしさを感じながらお冷をつぎ、お客さんに持って行った。
「ご来店ありがとうございます。こちらがフードのメニュー、こちらの冊子の方がドリンクとケーキのメニューです。ご注文決まりましたらお声掛けください。ごゆっくりどうぞ。」
これで合っているかはわからないが、それらしき事を言っておけば大抵の事はどうにかなる。
「ねぇ!凄いじゃん!」
レジ付近に戻ると、橋本さんが興奮気味に駆け寄ってきた。
「何がですか?」
「初めて案内するのにあんなスラスラ言葉出てくるなんて、凄い以外のなにものでもないよ!」
「あれで合ってるかはわからないんですけど...」
「大丈夫!お客さんがわかればなんだっていいよ。むしろみんな、もっと適当にやってるし。」
「そうなんですね...」
文言が長いと混んでいる時は時間の無駄だ。もう少し探りながらやってみよう。
「その調子でよろしく!もし注文言われたらメモ帳に書いてきてくれればこっちで打つからさ!」
「わかりました!はーい、お伺いします!」
さっきから誰か操作しているのではないかと思う程タイミングよく呼ばれる。開けているお店だから、こちらの様子を伺いながら呼んでいるというのもあるだろう。流石カフェに来る人は人間性からして違う。
「お待たせしました、お伺いします。」
「えっとー、ブレンドコーヒーと...」
「結華ちゃん、時間だから上がろー」
水樹さんに声を掛けられ、もうそんな時間なのかと驚いた。感覚的にはまだ二時間ぐらいしか経っていない。
「わかった!お先に失礼します、お疲れ様です。」
「お疲れ様ー!またねー」
橋本さんが可愛く手を振ってくれた。私が男だったら彼女にしたい。
「お疲れ様!次のシフトは一週間後だね。今度はレジ教えるね。」
「はい!わかりました。よろしくお願いします。」
店長に頭を下げ、水樹さんと二人で上がった。上がりの時間まで調整してくれたのだろうか。
「結華ちゃんお疲れ様。今日働いてみてどうだった?」
更衣室で着替えていると水樹さんが聞いてきた。
「今まで働いてきた所と比べるとオシャレだなって思った!」
「カフェだからね。他に感想ある?」
「働いてる人みんな優しかった!」
「うーん、求めてる答えが出てこない...」
私が元気よく答えると水樹さんは頭を抱えた。
「どういうの求めてたの?」
「仕事内容の感想を求めてた。」
どうやら私はズレた回答をしてたみたいだ。元気よくズレた回答をしていた自分が恥ずかしい。
「あぁ、仕事内容の方ね...。ごめんね、馬鹿みたいな感想言っちゃって。」
「でも感想聞いて嫌な事が出てこなくて安心したよ。」
「嫌な事なんて一つもなかったよ。今日、数時間しか働いてないけど長く働けそうって思った!」
初出勤でこんなに居心地がいいバイト先は初めてだ。水樹さんがいたからというのも一つの理由だろうが、他の人もわからない事を優しく教えてくれた。
「そっか、それは良かった!正直、お店の雰囲気が合わなくて紹介したけどすぐ辞めたらどうしようって不安だったんだ。」
「そうだったの?大丈夫だよ!絶対辞めないから!」
人に誘われた云々より、もう一個のバイト先で働く気がもう無いから例えここでいじめられたとしても居座り続けてやるつもりだ。
「お!頼もしいぞ!うちが見込んだだけあるねぇ。」
「へへ、ありがとう。」
頼もしい、か。何とかお礼を言ったが、その言葉は私の心を重くする。
私は頼もしいだとか任せるなど、信頼される言葉が好きではない。それは家で色んな面で頼りにされているから。だからといって何も信頼されないのは悔しく思ってしまう。矛盾した考えで自分でも驚いている。
「それじゃあ、また来週会おうね!今日はゆっくり休むんだよー」
「わかった、ありがとう!また来週よろしくねー」
水樹さんとは別の電車だから駅構内で別れた。私も水樹さんと同じ路線で帰れるのだが、そうすると電車賃が高くなってしまう。申請も安い方でしているし何より給料日前にあまりお金を使いたくない。と言ってもどうせ給料は親に渡して終わるのだが。
「あぁ...しんどい...」
ポツリと零した言葉は、ホームがざわついているおかげで誰にも聞かれなかった。
こう言うと、大体の人に世の中にはもっと大変な人が居るとか家があるだけマシとか言われる。そういう人に私は言いたい。なら私と立場を代わってくれと。
世の中には私よりもっと過酷な人生を送ってる人が居るのはわかっている。そういう人達と比べると私は雨風凌げる家もあって、母親の機嫌がいい日は楽しく過ごせるから良い方なのかもしれない。
けれど水樹さんや夏音ちゃんの家族の話を聞くと、やはりうちはどこかおかしいと思ってしまう。普通の家は親の機嫌をとりながら生活しないみたいだし、何より子供の給料がないと暮らせないなんて笑ってしまう。
だから雨風凌げる家があったからといって、一概にいい訳ではない。そうやって言ってくるやつには本気で私と立場を代わってもらおう。
そんなこんな考えていると家に着いた。これから夕ご飯を作って、洗い物して。考えるだけで疲れるが、やれば終わると自分に言い聞かせて家の中に入ったのだった。
「そういえば結華ちゃんって従業員全員に会った?」
納品の片付けをしていると水樹さんが聞いてきた。私はカフェで働いて一ヶ月が経っていた。
「えっとね、あと一人会えば全員に会った事になる。」
「えー、誰だろう。」
「んっとね、榊(さかき)さん。」
「あー、榊さんね。あの人最近あんまりシフト入ってないからね。」
シフトを見ながら水樹さんは苦笑した。ここの従業員は連勤するイメージがない。ほとんどの人が大学生だからだろう。
「榊さんって大学生?」
「ううん、フリーターで確か塾の講師やってた気がする。」
「へぇー、頭が良いんだね。」
人に勉強を教えるのにはまず、自分で理解しないといけない。そもそも自分で理解する事が出来ない私には縁のない仕事だ。
「の割には結構馬鹿な発言するけどね。」
「そうなんだ!会ってみたい...」
「あ、明日居るみたいよ。良かったね。」
「ほんと?楽しみにして来る。」
榊さんってどんな人なんだろう。下の名前が龍だったから多分、男性だろう。塾の講師をやっているぐらいだからきっと知的な人なんだろうなぁ。
漫画で得た知的な人のイメージを想像して榊さんに会うのを楽しみにその日はバイトをした。
「おはようございます。」
「おはよー」
だから次の日、カフェに出勤した時は驚いた。榊さんであろう人物は私が想像していた知的な人のイメージとはかなり離れていたから。一目見ただけでは頭が良いとは到底思えない見た目をしている。塾の講師ではなく、バーテンダーをやっていそうだ。
「えーっと、確か早瀬さんだっけ。僕は榊龍(りゅう)。これからよろしくね。」
榊さんは作業していた手を止めて私の所に来てくれた。
「はい、そうです!早瀬結華です。榊さん、これからよろしくお願いします。」
「そんなかしこまんなくていいよ。タメでいこ、タメで。」
軽く頭を下げると、榊さんは人当たりのいい笑顔でそう言った。タメと言われても榊さんは私より年上だ。まだどんな人かもわからないのにタメでいくことは私には出来ない。
「榊さんがどんな人か知ってからタメでいきますね!それまではこの感じでお願いします。」
「ん、了解。よろしくねー」
手をヒラヒラさせて自分の作業に戻って行った。
この人が後に私の本音を引き出す人になるなんて、この時は微塵も思っていなかった。



